筋肉の種類や働き、美しい体を作るコツ
2012/03/28 掲載
筋肉がからだをデザインする。余分な体脂肪は減らしても、筋肉の減量はNGです。
筋肉というと、つい、ボディビルダーのようなムキムキの筋肉を想像してしまいがちですが、何も力こぶや6つに割れた腹筋ばかりが筋肉じゃありません。すっきりした後ろ姿やスマートな歩き方も筋肉のおかげ。今回は「筋肉」をテーマに取り上げ、その種類や働き、美しいかだらをつくるコツなどをお話しします。
ヒトだけじゃなく、イヌの体組成まではかったことも!
「健康をはかる」タニタでは、常にいろんなからだ情報を測っています。体脂肪や内臓脂肪、基礎代謝もそうですし、他にも骨量や体内年齢など。ペットの世界でも肥満は大きな問題になっているようで、イヌの体脂肪率を調べたこともあるんですよ。
研究で体組成を調べるときには、主にDXA(デクサ)という装置を使います。もともとは骨密度を測る装置ですが、からだ全体を「脂肪」「骨」「それ以外」に分けて測ることができるのです。「それ以外」とは、骨格筋と内臓、血液や体水分のこと。タニタではこれらをあわせて「筋肉」と考えます。意外かもしれませんが、心臓や胃などの内臓も実は筋肉。また、水分を含める理由は、筋肉は水がないと動かないから。スカスカのビーフジャーキー状態では筋肉とはいえないんです。
■ 脂肪、骨、それ以外の量が測れるDXA。
じっと横になっているだけでいいのでラク。
筋肉量スコアと体脂肪率で体型判定ができる
筋肉量測定の研究では、たくさんの方に協力してもらいました。バスケットボールの女子選手が集まったときはすごかったですね。女性ながら皆さん身長は180cmくらいありますし、さすがに筋肉のつき方もしっかりしていました。幼稚園児から80歳以上の方まで、いろんな方の情報を集め、それを分析して独自の計算式を導き出し、家庭用の体組成計に反映します。そうしてやっと家庭でも簡単に、より正確に筋肉量が測れるようになるわけです。
タニタの体組成計では、筋肉の情報を「筋肉量(kg)」と9段階の「筋肉量スコア」で表わします。筋肉量は「お、何kg増えた!」と増減がわかりやすいので、筋肉を鍛えたい人にはモチベーションになりますね。筋肉量スコアでは身長にあわせた筋肉の付き具合がわかり、体脂肪率とあわせて「かた太り型」「かくれ肥満型」「筋肉質」といった体型判定ができます。ぜひお試しください。
■ 筋肉量スコアと体脂肪率から、体型判定ができる。
日本人には極端な体型が少ないので、赤丸の中に入る人が多い。
ただ体重を減らすより「美しく見える」ことを大切に
ところで、あなたは筋肉をつけたいと思いますか?それとも、つけたくないですか?
体脂肪の場合、多すぎると病気になる危険が高くなるので、「体脂肪が多すぎるとダメ!」とはっきりしていますよね。ところが、筋肉となるとそうじゃないんです。もちろん、少なすぎる場合は生活に支障が出ます。たとえば、加齢で筋肉量が減ると転倒して骨折しやすくなります。でも、筋肉量が多くても病気に直接関係するわけではありません。人によって筋肉をつけたい人もいれば、つけたくない人もいる。特に女性は「筋肉なんてつけたくないわ」という人が多いでしょう。
でも、誰にとっても筋肉は大切です。たとえばダイエットで急に筋肉が減るとリバウンドしやすくなりますし、それに筋力が衰えて姿勢が悪くなるという問題も…。せっかく「きれいになりたい」「かっこよくなりたい」と努力しているのに、美しく見えなかったらガッカリですよね。ただ体重を減らすのではなく、適度に筋肉をつけることも考えてください。筋肉は基礎代謝を上げて脂肪燃焼をサポートしてくれるので、ダイエット、メタボリック対策、健康管理の手助けにもなりますよ。(基礎代謝についてはVol.3をご覧ください。)
なりたいからだを思い描いて筋肉を使いましょう
筋肉には、遅筋と速筋の2種類があります。遅筋は赤筋とも呼ばれて持久力に、速筋は白筋とも呼ばれて瞬発力に関係します。魚の赤身と白身を想像してもらうとわかりやすいかもしれません。長い距離をずっと泳いでいられるマグロは赤身ですし、パッとすばやく動けるけど長くは泳げないヒラメは白身ですね。
ひとの筋肉も同じようなものです。遅筋(赤筋)を鍛えれば、きれいな姿勢を保つことができます。それには、あまり負荷をかけない軽めの筋トレや有酸素運動がおすすめ。負荷をしっかりかけるハードな筋トレをすれば、速筋(白筋)が鍛えられてムキムキ系の筋肉に導いてくれます。どんなからだになりたいかを頭に描いて、それにあったバランスよい運動をしましょう。あと忘れてはならないのは、筋肉を使ったらしっかり休むこと。筋肉が疲れているのに運動を続けても逆効果です。きちんと食べて・動いて・休む。この規則正しい生活で理想のからだが近づきますよ!
■ きれいな姿勢づくりは軽い筋トレや有酸素運動、筋肉を大きくしたいならハードな筋トレを。