ダイエット中でもOKなお肉って?肉食系向けヘルシーミート講座
2015/03/10 掲載
健康のために肉類は控えている、という方は多くいらっしゃいますね。
確かに肉類に含まれる動物性脂肪には、動脈硬化の原因となる飽和脂肪酸が多く含まれており、過剰摂取は避けたいもの。
ですが、肉類全てがダイエットや健康の敵ではありません。含まれる脂質の量は肉の種類や部位によって大きく異なり、中には低脂肪でヘルシーなものもあります。また糖質・脂質の代謝に関わるビタミンB群や、アスリートや女性に欠かせない鉄分などのミネラルを豊富に含むなど、健康づくりに大切な役割を担う部分もあるのです。
ぜひヘルシーな肉類選びのポイントを知り、健康づくりに役立てていきましょう。
牛・豚・鶏の特徴 - 肉の種類による栄養面での特徴 -
牛肉は鉄や亜鉛が豊富
牛肉にはダイエット中に不足しやすい鉄や亜鉛が豊富に含まれます。ただし、鶏肉や豚肉に比べ全体的に高脂肪な分、高カロリー。またメタボ予防に悪影響となる飽和脂肪酸が多く含まれる点でも注意が必要です。脂肪の少ない部分を選ぶことが課題と言えます。
※鉄の推奨量は30~49歳男性で7.5mg/日、同女性で11.0mg/日
※亜鉛の推奨量は30~49歳男性で12.0mg/日、同女性で9.0mg/日
豚肉はビタミンB群が豊富
牛肉よりややカロリーが低く、糖質代謝に欠かせないビタミンB1が豊富。その他のビタミンB群も多めなため燃焼系ボディーを目指す上ではメリットの多い肉と言えます。低脂肪なヒレ肉や脂肪を除いたもも・かたを選ぶことで、ダイエット中も安心して肉料理を楽しめます。
※ビタミンB1の推奨量は30~49歳男性で1.4mg/日、同女性で1.1mg/日
鶏肉は低脂肪でたんぱく質が豊富
鶏肉は肉類の中では断然低脂肪・低カロリーであり、ダイエット中のたんぱく質補給にぜひ取り入れたい食品です。脂肪が集中する皮を除けば、飽和脂肪酸をほとんど含まない超ヘルシーアイテムとなります。また糖質・脂質の代謝や睡眠リズムの調整に関わるナイアシン、月経前症候群(PMS)やつわりの軽減に関わるビタミンB6も豊富な点にも注目です。
※ナイアシンの推奨量は30~49歳男性で15mgNE/日、同女性で12mgNE/日
※ビタミンB6の推奨量は30~49歳男性で1.4mg/日、同女性で1.0mg/日
ヘルシーなおすすめ部位は?
牛肉・豚肉・鶏肉の栄養面の特徴がわかったところで、それぞれのヘルシーな部位をチェックしていきましょう。
※栄養素量は全て100gあたりの数字
【 牛肉 】
ヒレ 185kcal、脂質9.8gでダイエット中でも安心なレベル。
鉄分が特に豊富なため貧血対策にも◎。
もも 白い皮下脂肪の部分を除けば181kcalとヒレ肉よりヘルシーに。
亜鉛は内臓以外の肉類で最高レベルなので、アスリートや怪我の
治療中の方に食べて欲しい部位。
かた こちらも皮下脂肪の部分をカットすることで217kcalに。
亜鉛やビタミンB群のバランスが良く、ダイエット中のスタミナ補給
や美髪づくりにおすすめ。
【 豚肉 】
※部位は牛肉と同じでしたが、より低脂肪で含まれるビタミン・ミネラルのバランスも異なります
ヒレ 鶏ささみに次ぐ低カロリー肉でなんと115kcal。ビタミンB1の
含有量は内臓以外の肉類でNo.1。
その他のビタミンB群や鉄なども豊富。
飽和脂肪酸をほとんど含まない点でも安心。
もも 皮下脂肪の部分を除けば148kcalに。
肌トラブルの予防に役立つビタミンB2やナイアシンも豊富。
かた こちらも皮下脂肪の部分をカットすることで171kcalに。
たんぱく質・脂質・ビタミンB群・鉄などをバランス良く含むため、普段使いにおすすめ。
【 鶏肉 】
ささみ 低カロリー高たんぱく食品の代名詞で、カロリーは105kcal、たんぱく質は23g。
ナイアシンやビタミンB6の含有量は内臓以外の肉類で最高レベル。
ダイエットしたい方だけでなく不眠やPMS症状でお悩みの方にもおすすめ
むね 皮を除くことでカロリーは108kcalとなり、他の栄養素もささみに近くなる。
クセがなく淡泊な味なので、どんな味付けでも違和感なく食べやすい。
もも こちらも皮を除くことで116kcalに。 鶏肉の旨みを楽しみたいならももが正解。
硬い肉を美味しく食べるには?
へルシーなおすすめ部位として挙げられた肉は、残念ながら一般的には硬めで避けられがちな部位。その噛みごたえを活かし、食事の満足感アップによる食べ過ぎ予防に役立てる方法ももちろんあります。
ですが、やはり好みの硬さでヘルシーな肉を楽しんで頂くことも大切にしたいもの。最後に肉の食感をやわらかくする方法をご紹介します。
①切り方の工夫
スライスや細切りなど、噛みやすい切り方にすることで硬さを調整します。
②たんぱく質分解酵素を活かす
たまねぎ、キウイフルーツ、パイナップルなどたんぱく質分解酵素を含む食品を刻んだものに漬け込むことで、
肉の食感を軟らかくすることができます。
③その他
酢、牛乳に漬け込んだり、かたくり粉にまぶす方法でも、肉を軟らかくすることができます。
いかがでしたか?
ダイエットの敵と思われがちな肉類ですが、実は味方となる栄養素を含むものもたくさんありましたね。さらに、肉など動物性たんぱく質は、魚などのたんぱく質よりも消化に時間がかかるため、食後の満足感も持続しやすいというメリットもあります。魚や大豆製品・卵など他のたんぱく質源とのバランスも大切にしながら、ダイエット中もヘルシーに肉料理を楽しんでいきましょう。
参考文献: 東京都中央卸売市場食肉市場 芝浦と場ホームページ(牛・豚の基礎知識 3部位別の名称)
日本食品標準成分表2010