目的に合わせて野菜を上手に選ぼう!青菜編

2013/08/13 掲載

健康のためには、野菜をしっかり食べること、そしてその目標量は1日350g。
この数値はすっかりメジャーなものになりましたね。
ですが、「わかっていても、そう簡単に実行は・・」という方の方が多いのではないでしょうか?

・具体的にどんな野菜をどのくらい食べたら良いか、イマイチ分かりにくい。
・コンビニや外食の野菜料理にどれほどの栄養があるのか不安。
・野菜より、野菜ジュースの方が手っ取り早くて美味しいし。
・野菜料理って、意外と高い!

このような理由から、野菜を食べるまでに至らないというケースも多々あると思います。

そこで、皆さんが野菜をもっと食べたくなるような情報を、カテゴリー別にお伝えしていきます。
まずは青菜編からどうぞ^^。
 

青菜の特徴は?

ほうれん草や小松菜などの緑の葉野菜を「青菜」と呼んでいますが、
その濃い緑の色素の正体は抗酸化作用のあるβカロテンやクロロフィルです。
また、ビタミンCや食物繊維も豊富で、風邪予防・肥満予防・コレステロールの排泄作用など、幅広い健康効果が期待できます。

青菜の栄養素比較

              
青菜(茹でたもの)100gの主な栄養素
食品名 エネルギー
(kcal)
カリウム
(mg)
カルシウム
(mg)

(mg)
カロテンβ
(μg)
葉酸
(μg)
ビタミンC
(mg)
食物繊維
(g)
旬の時期
(g)
備考
あしたば 31 390 58 0.5 5200 75 23 5.3 2~5月  
きょうな
(水菜)
22 370 200 2.0 1700 90 19 3.6 12~3月  
小松菜 15 140 150 2.1 3100 86 21 2.4 12~2月  
春菊 27 270 120 1.2 5300 100 5 3.7 11~2月 ビタミンKも豊富
ちんげん菜 12 250 120 0.7 2600 53 15 1.5 10~11月
3~5月
 
にら 31 400 51 0.7 4400 77 11 4.3 3~9月 ビタミンB6も豊富
ほうれん草 25 490 69 0.9 5400 110 19 3.6 7~8月 亜鉛も豊富
モロヘイヤ 25 160 170 0.6 6600 67 11 3.5 7~8月  

 

 

目的に合わせて、青菜を選ぼう!

 


■低カロリーな青菜は?

■血圧が気になる方におすすめの青菜は?
■骨を強くしたい方におすすめなの青菜は?
■貧血気味の方におすすめなの青菜は?
■若々しいからだを維持したい方におすすめのなの青菜は?
■妊娠を計画中の方におすすめの青菜は?
■ストレスの多い方、喫煙習慣のある方におすすめの青菜は?
■脱メタボを目指す方におすすめの青菜は?



■低カロリーな青菜は?
青菜は糖質が少なく低カロリーなものばかりですが、今回比較した中で最もカロリーが低かったのはちんげん菜です。
シャキシャキとした歯触りで噛みごたえもあるので、「カロリーを抑えつつ沢山食べたい・食事の満足感が欲しい」と言う方には嬉しい野菜ですね。

■骨を強くしたい方におすすめの青菜は?
カルシウムたっぷりのきょうな(水菜)や小松菜です。
野菜に含まれるカルシウムは、乳製品に含まれるものより吸収率では劣りますが、沢山食べても低カロリーなのでダイエット中でも安心なところがポイント。
また、骨にカルシウムがとりこまれるのを助けてくれるビタミンKも豊富です。強い骨をつくるためには、たんぱく質・ビタミンDなども大切な役割りを果たしていますので、これらを含む魚類や納豆も組み合わせて食べることをおすすめします。

■貧血気味の方におすすめの青菜は?
青菜の中でも特に鉄分の多い小松菜やきょうな(水菜)です。
鉄分は血液中の酸素運搬を担うヘモグロビンの主材料。青菜に含まれている非ヘム鉄は、単独では吸収率が良くないタイプですが、たんぱく質やビタミンCと一緒にとることで、吸収されやすくなります。食事は「主食・主菜(たんぱく質源)・副菜」を揃えた上で、副菜には鉄分の豊富な青菜とビタミンCの豊富な生野菜を積極的に取り入れていきましょう。

■若々しいからだを維持したい方におすすめの青菜は?
βカロテンの豊富なモロヘイヤやほうれん草です。
βカロテンには強い抗酸化作用があり、肌・内臓・血管などを健康に保つために重要な働きをしています。その健康パワーへの注目度は、緑黄色野菜の定義の基準(100g中βカロテン600μg以上)にもされているほど。1日の野菜類の目標量350gのうち、120g以上は緑黄色野菜を食べることが推奨されていますが、量をたくさん摂るのが難しい場合は、特にβカロテンの多い青菜を選んで食べるようにしてはいかがでしょうか。

■妊娠を計画中の方におすすめの青菜は?
葉酸の豊富なほうれん草・春菊・きょうな(水菜)・小松菜などです。 葉酸は水溶性のビタミンB群の一種で、細胞の生産や再生を助け、体の発育を促す栄養素です。特に胎児の新しい細胞が作られる妊娠期には不可欠な栄養素で、葉酸不足は二分脊椎症などの先天性疾患の発症リスクが高くなるとされています。妊娠を計画中の女性には1日400μg以上、葉酸をとることが推奨されていますので、バランスの良い食事を意識しつつ、副菜には積極的に青菜を取り入れていきたいですね。

■ストレスの多い方、喫煙習慣のある方におすすめの青菜は?
ビタミンCたっぷりの、あしたば・小松菜・ほうれん草です。
ビタミンCは、もちろん風邪予防や美肌づくりにも大切な働きをしている栄養素ですが、ストレスへの抵抗力を強める作用もあります。寒さ・暑さ・疲労・心痛・睡眠不足・過労などでストレスの多い方、また喫煙習慣のある方は、体内でのビタミンCの消費が大きいとされていますので、特にビタミンCを含む食品は意識してとるようにしましょう。
ちなみに、各栄養素の含有量を比較している上記の表の数字は、全て茹でた状態のものです。つまり熱に弱いビタミンCは加熱により減ってしまった状態なのですが、それでも生のレタス(5mg)やきゅうり(14mg)よりも多い水準(例として小松菜:21mg)となっています。意外でしたね!?
※()内の数字は100gあたりに含まれるビタミンC含有量


■脱メタボを目指す方におすすめの青菜は?
食物繊維の豊富な、あしたば・にら・春菊です。
食物繊維は、糖尿病・脂質異常症・便秘・大腸がんなどの予防に重要な働きをしています。青菜以外の野菜にも食物繊維を多く含む食品もありますが、葉の厚みが薄く柔らかい青菜は、加熱することによりカサが大幅に減るためたっぷり食べやすく、より効率的に食物繊維を補給することができます。

 

どんな食べ方がおすすめ?

青菜は、炒め物・汁物・ごま和えなどにして食べることがおすすめです。
少量の油やナッツ類などと一緒に調理することで、油に溶けやすい性質のβカロテンの吸収率をグッと高める効果が期待できます。
ただし、アクの強いほうれん草・春菊は、少し注意が必要です。
なぜなら、アクの成分であるシュウ酸は、過剰摂取することでカルシウム結石の原因となる場合があるからです。
ほうれん草や春菊は、たっぷりのお湯で茹でて水にさらしてから調理することを意識していきましょう。
とは言え、時々ほうれん草のみそ汁や春菊を入れた鍋物を食べるくらいなら問題ありませんのでご安心を。

そしてもう一点、熱に弱いビタミンCの損失を最小限に抑えるため、加熱時間はできるだけ短かくすることも意識していきたいですね。


参考資料:日本食品標準成分表2010

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。