あなたの食生活大丈夫? 腸内環境を見直し、一流の健康人へ
2013/11/12 掲載
腸内細菌が健康を決める?!
幸せ物質のドーパミン・やる気物質のセロトニンは、腸内で作りだされるので 腸は、第2の脳とも呼ばれる注目の臓器。
さらに人のからだの免疫物質のうち6割は腸内で作られるといわれており、腸内環境を整えることで免疫力アップ効果、美肌効果、ダイエット効果が期待できるといいます。
腸がカラダとココロの健康を担っているといっても過言ではありません。
今医学会の最大のトピックスとして、糖尿病、高血圧、高脂血症は腸内環境を整えればかなり改善されるといわれています。
「Nature」という雑誌に肥満が腸内細菌の乱れから来るものだという報告がでたり、腸内細菌の遺伝子を調べることで糖尿病のリスクを判定できる可能性があると発表されました。
食べたものの栄養は口から食べたあと、食道、胃、十二指腸を通過し、小腸で栄養吸収され、血液にのって流れていきます。
その血液は肝臓、心臓を経由し、全身に流れていきます。
腸内環境が悪いと、栄養吸収や、そこから流れ出る血液もいい状態を保つことができません。
善玉菌が多いと、腸にも全身にもきれいな血液が流れ、体の調子を良い状態に保つことができるのです。
ところが悪玉菌が多いと硫化水素、インドール、アンモニアという毒素を出し、汚い血液が全身をめぐることで、体に不調が来るというのが腸内環境の体への影響です。
小腸は長さは7~8mですが、広げるとテニスコート一面あるといわれており、そこに住む腸内細菌は100兆個、500~1000種類、重さにして1~1.5kgといわれています。
私たちの細胞は60兆個ですので、それ以上の腸内細菌が住んでいることになります。
腸内環境を整える=ダイエットに成功する=生活習慣病を予防するためには、善玉菌を増やすことが大事だと以前コラム
ぽっこりおなかにさようなら!腸内環境を整えて健康美人に でもご紹介しました。
そのカギになるのが「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」(詳しくは後半で!)。
炭水化物抜きダイエットは、高脂肪、高たんぱく質食になりやすく、悪玉菌を増やし、かえって肥満を増やすリスクを高めてしまいます。
30歳を超えると、男性は副交感神経がどんどん下がりますが、善玉菌が年をとればとるほど減少していくというダブルパンチを受けることになります。
副交感神経は下がり、善玉菌は減り、放っておくとやはり病気になっていくというわけです。
腸内細菌のはたらきって?
腸内細菌は、食べた栄養素から体を構成するのに必要なたんぱく質などを合成したり、ビタミンを精製したり免疫機能を強化させたり、中性脂肪や血糖などの代謝を促進させたりと健康にかかわる働きをしています。
腸内細菌のはたらき
●消化・吸収・代謝
●病原菌・有害菌の増殖抑制・感染防御
●免疫系の活性化
●ホルモン・ビタミンの産生
●有害・発がん物質の分解と排泄促進
●肝・腎機能の活性化
●脂質や糖の代謝の改善
●腸内pHの安定・蠕動運動の活性化
腸内細菌がつくるビタミン
●ビタミンB1:脳を活性化し、疲労を防ぐ 糖質代謝
●ビタミンB2:発育を促進する成長ビタミン、脂質代謝
●ビタミンB6:タンパク質代謝
●ビタミンB12:貧血改善
●葉酸:赤血球や細胞をつくる
●パントテン酸:抗ストレス、糖質代謝、脂質代謝
●ビオチン:皮膚や髪の健康を守る
●ビタミンK:血液凝固と骨の健康
これらはいずれも、メンタルヘルス・ストレス・神経活動・集中力など、脳の活動に大きく影響しています。
学業やお仕事で成績アップを目指したい方は、ぜひ食生活を見直して、腸内細菌の状態を整えることが大切ですね。
腸内の善玉菌を増やす食生活~プロバイオティクスとプレバイオティクス
腸内の善玉菌を増やすためには、
プロバイオティクスとプレバイオテクスを意識して、
以下のような食品を積極的に取り入れていくことが効果的です。
【プロバイオティクス】 【プレバイオテクス】
(腸内細菌のバランスを整える生きた微生物) (プロバイオティクスのエサになり、善玉菌を増やす物質)
●乳酸菌 ●オリゴ糖
●食物繊維
これらは「一度に大量にとる」のではなく、「毎食・毎日、少しずつ継続してとる」ことがポイントです。
そして腸内環境を整えるためには、食生活以外の生活習慣も大きく関わっています。
●ストレスを溜めないこと
●適度な運動習慣を持つこと
●禁煙
コツコツと実践して、ぜひ腸一流の健康人を目指してみませんか。
参考書籍
Nature. 2013 Jul 4;499(7456)
「超一流の人の健康の極意」 小林弘幸
「脳はバカ、腸はかしこい」 藤田鉱一郎