食欲がない時はビールで夏バテ予防?!

2012/03/12 掲載

ビール

暑い日が続いたり、忙しい日が続いたり…
そんな時食欲が落ちてしまいませんか?
特に暑い日は、暑さに対抗すべくカラダも普段よりエネルギーを使っているので、ちゃんと補給してあげないと、簡単に夏バテするはめに・・・。
『ここはビールでも飲んで、食欲増進・夏バテ予防しましょう!』と言われたら驚きませんか?
実はビールには、夏バテ解消に効く「あるもの」が含まれているのです。

 

 食事の前に飲む、食前酒の効果

 ご存じかもしれませんが、お酒には食欲を増進させる効果があります。
体内でアルコールを分解するときには糖が使われ、血糖値が低下します。
その血糖値低下のシグナルが脳に伝わり、食欲UPの指令が出てきます。

特に注目したいのが、食前酒。代表的な食前酒には、梅酒やスパークリングワインがあります。
梅やブドウの酸味は唾液の分泌を促しますが、唾液はでんぷんを糖に分解するアミラーゼを含むので、消化液として働きます。また梅酒をソーダ割りで飲まれる方もいると思いますが、スパークリングワインやソーダに含まれる炭酸は、胃を刺激して活動を活発にします。

つまり食前酒を飲むことで、食事の準備ができるというわけです。
アルコールで気分が朗らかになるのも、食事を進ませる大事なスパイスですね。

食前酒の効果

ビールの食欲増進効果

『しかしこの時期、まずは冷えたビールでしょ!』という方も多いと思います。私も同意します(笑)。
美味しいですよねぇ~。

ビールも炭酸を含んだアルコール飲料ですから、前述の胃を活発にする効能を備えていますが、さらに食欲増進に貢献する活性物質も含まれています。それが、N-メチルチラミン。この物質はガストリンというホルモンの分泌を促進しますが、
このガストリンには胃酸の分泌を促進する作用があります。つまり、ビールを飲むと胃酸が出てくるという流れになります。

さらにビールの原料である麦芽からも、消化管の運動を促進する物質(ホルダチンAとその幾何異性体)も発見されています。この物質は消化管の筋肉(骨格筋ではなく平滑筋)を刺激して、運動を活発にします。
つまり胃に入った食べ物が、小腸へとより早く送り出されていくのです。

消化吸収と食欲には関連性が強く、消化吸収が滞ると、食べたものが胃から出て行かないため、
胃のもたれや膨満感、食欲不振につながります。 ビールに含まれる成分が消化活動を活性化することで、
『食べたい!』といった食欲が出てくるのです。


また、これらの物質は麦芽由来ですから、麦芽100%ビールほどではないものの、麦芽を使用した
ノンアルコールビールにもちゃんと含まれているとのこと。アルコールの飲めないとき、またアルコールが苦手な方は、
こちらを試してみてはいかがでしょうか?確かにビールを飲むと、ついつい食事も進んでしまいます。ビールに含まれる食欲増進物質が、ビール腹の一因だったんですねぇ。

しかし、食欲のない時には好都合!
暑くて食欲の落ちる夏には、やっぱりビールが欠かせないということですね。
これはビール好きには嬉しい発見です!夏バテになったら、いやむしろなる前に(!)ビールを飲んで、
しっかり食事を摂るよう心がけたいと思いますヽ(^o^)丿

ただし、食欲にまかせて食べ過ぎないよう、夏も体組成のチェックを忘れずに!
そしてもちろんビール自体にも糖質が含まれているので、くれぐれも飲みすぎに気をつけて
夏バテも、夏太りもしないよう、健康に夏を楽しみましょう!

参考文献
Yokoo Y. et al. Isolation from beer and structural determination of a potent stimulant of gastrin release. Alcohol & Alcoholism. 1999 Mar-Apr;34(2):161-8.

 

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。