風邪・インフルエンザ対策!体温UPで免疫力を高める!?

2012/03/29 掲載

「免疫」とは、もともとは“疫病を免れる(まぬがれる)”という意味でしたが、今はもっと広く「病気が入って来ないよう抵抗し」「入って来た病気を排除し」「更に元の身体の恒常性を取り戻すよう病気を癒して働く能力」ということまで表す言葉として使われていますよね。人が本来持っている生体防御機能とも言えるものです。
こうした免疫による防御の力は何によって成り立っているのでしょうか?

免疫力を支える 「1.皮膚・粘膜」
まずは外界と接する皮膚や粘膜、身体から分泌される様々な粘液などが外部からの障壁となって体の外からの菌や異物の侵入を防いでいます。これで大部分の敵は防ぐことができます。

免疫力を支える 「2.白血球」
それでもそこを突破して入ってしまう敵をやっつけるために、更に体の中では血液中の白血球を中心とした防御システムが働いています。数種類の白血球一族が更に様々な免疫細胞となり、様々な役割分担で、病原体を捕食したり、攻撃して破壊したり、感染した細胞を消滅させたりしています。ただ攻撃するだけではなくて、同じ病原体に2度とやられないように抗体を作ったり、危険な細胞を監視したり、免疫細胞同士で連絡を取り合ったりもしています。

「免疫力を高める」・・・ということは、皮膚や分泌液の状態を正常に保つことももちろんなのですが、こうした攻撃的(?)防御組織「白血球一族(免疫細胞)」の働きを高めることが重要となります。

体温UPがカギを握る!?体温上昇で免疫細胞が活発に

このところ「免疫力」に関する書籍が良く売れているそうです。その中でも「体温を上げて免疫力を向上させよう」という内容の本が人気だとか。先に述べましたように、免疫力を向上させる=免疫細胞の働きを高める・・・ということになるのですが、免疫細胞は温度が高い方が活発化するそうで1)、実験で細胞を扱う場合でも36度よりも37度前後の方が酵素が活性化、細胞活動が上がることが確認されているそうです2)白血球一族のリンパ球などは35度では動きが鈍くなるとのことで、「体温が低い人は風邪もなかなか治らず長引く傾向がある」と指摘する先生もいらっしゃいます2)。こうした様々なデータや証言からも体温は低いよりも高い方が良いということはわかりますが、ではどうやったら低体温を改善し、体温を高めることができるのでしょうか。

自律神経の乱れ、運動不足・筋肉量低下が低体温を招く

現代人は低体温の人が増えていると言われています。医学的には「低体温」の明確な定義はありませんが、概ね平熱が35度以下の人を指すと言われています。手足が冷えやすく温まりにくい「冷え性」の人も抹消温度が低い低体温であると言えます。

こうした平熱の低下や冷えはどうしておこるのでしょうか。下に現在言われている要因をまとめてみました。自分が低体温なのではないか、冷え性なのではないかという方は心当たりがないかチェックしてみてください。

低体温・冷えの主な要因とされているもの

○自律神経の乱れ(不規則な生活、ストレス、ホルモンバランスの乱れなどによる)
○貧血(貧血自体も免疫力を低下させるが、血行不良で低体温にもなってしまう)
○運動不足(運動による発熱、血流活発化、代謝亢進の機会が不足している)
○筋肉量の低下・不足(身体の中で最も熱産生が高く代謝の大部分を担うのが筋肉。血流を促進するポンプの役目も持っているため、不足すると血行不良にもなりやすい。)


日常生活の中で心がけたい免疫力UPのポイント

低体温を防ぎ、免疫低下を防ぐためには、低体温の要因から考えても
[1]早寝早起き、規則正しい生活でストレスをためない
[2]免疫細胞の元となるタンパク質(肉・魚・豆・卵)を摂る(低カロリー高タンパクな鍋料理がオススメ!体も温まります)
[3]適度な運動(気分爽快になる程度。ストレスにならないように。)
[4]筋肉をつけて代謝を上げる([3]の運動を続ければおのずと筋肉もついてきますね)

規則正しい生活は

・・・というのが王道の方法ですね。
そりゃーそうでしょう、そんな規則正しくお手本のような生活ができていれば、元気で健康でしょうねぇ、あたりまえじゃないっすか・・・と思ってしまったそこのアナタ、確かにこの教科書のような正統派な方法だけではあまり面白くない(?)ので、次にもうひと捻りしたポイントをちょっと考えてみました。

「その場しのぎ」でもいい!=とにかくポカポカ作戦!

実は外側から身体を温めることでも、一時的に体温を上げリンパ球を活性化させる効果があるのだそうです2)。ですので、低体温や免疫低下が心配な方は、とりあえず使い捨てカイロなどを利用して手っ取り早く体を温めてしまいましょう!温める場所は腹部や腰が良いようです。太ももや上腕、肩などの比較的大きな筋肉を温めるのも効果があるようですが、低温やけどの恐れもありますのであまり長時間同じところを温めすぎないように注意してください。温感湿布などを利用するのも良さそうですね。これなら仕事中でもコッソリポカポカ作戦実行できます。

目に見える達成感!=歩数計や活動量計で「運動を数値化」作戦
いくら「適度な運動」が大事とはいえ・・・漠然と言われてもあまり心が動きませんよね。そこで!運動した分や歩いた分が客観的に数値化される歩数計や活動量計をオススメします。歩けば歩くほど、動けば動くほどちゃんと結果が数値化されますので、歩いたり動くのが楽しくなりますよ。「昨日より1000歩増やす」「1日10000歩を目指す」など目標設定もしてしまえばやる気UP間違いなし!グラフ表示出来る最先端な活動量計・歩数計もありますよ。
 

変化が数値でわかる!ダイエット効果も!? =体組成計で「筋肉量」「基礎代謝量」毎日チェック作戦!

筋肉量を増やせば代謝が亢進し体温を上昇させる・・・と言ってもこれまた漠然と「筋肉つけなきゃ」と思っているだけでは何も変わりません。この筋肉量や基礎代謝量が数値でチェックできるのが体組成計。「はかるだけダイエット」のように毎日できるだけ同じ時間に測定するようにすれば、特別なことをしなくてもなんとなく規則正しい生活になってきますし、自分の頑張りでどれくらい筋肉量や基礎代謝量が増えたか数値で認識することができます。自然と体脂肪率や体重を意識するようになるので、体脂肪率が下がって体がひきしまる効果も期待できます!数値に変化が現れるとモチベーション上がりますよー!!

病原菌やウィルスに負けない強い免疫軍団を体の中に育てるべく、頑張りましょう!

参考資料
1)「体温を上げると健康になる」 齋藤真嗣著 サンマーク出版
2)SUNDAY NIKKEI 日本経済新聞 2009年11月1日
3)「体温生理学テキスト」入来正躬著 分光堂 )

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。