アスリートのコンディショニングから学ぶ!-体内時計のリセット方法-

2014/07/29 掲載

健康維持・向上のためには『食事・運動・睡眠』を規則正しく実践することです。

しかし、毎日仕事や家事などで忙しい現代の人にとっては、規則正しく過ごすことが難しい場面も多くあると思います。

特に、いつも同じ時間に寝ることができないときは、睡眠時間が確保できても朝だるかったり、昼間眠かったり・・・こんな経験ありませんか?

この状況は、アスリートの海外遠征時にも起こる時差ボケに似た現象です。
そこで、アスリートの時差ボケ対策のコンディショニングを参考に、対策を考えてみたいと思います。     
(※からだの状態であるコンディションを整えることをコンディショニングといいます。)

コンディショニングのしくみ

体内には、時計遺伝子という概日リズムを作る遺伝子があります。
この時計遺伝子は脳の視床下部の視交叉上核にある『主(中枢)時計遺伝子』と
肝臓・肺・腎臓・心臓・腸・筋肉にある『末梢時計遺伝子』があり、これらの遺伝子が働くことで目が覚めてすっきりしたり、
体温・ホルモン・代謝を調節する、つまりコンディションが整います。

 

朝の光を浴びると、主時計遺伝子が調節されて、主時計遺伝子が末梢時計遺伝子にも影響を与えます。
また、朝食はこの経路ではなく直接、末梢時計遺伝子を調節できることが明らかになっています。

 

 

この時計遺伝子の体内時計の仕組みを使って、アスリートがどのように時差ボケを解消しているのでしょうか?
プロのアスリートは様々な対策をしていますが、その中で私達も取り入れられる方法をご紹介します。

 

体内時計をリセットするポイント

 1.夕食と朝食の間隔を長くとって、夕食よりも朝食の量をしっかり食べることで、体内時計をリセットする
     睡眠・起床時間が不規則なときは、睡眠前の夜食は避けた方がいいです。

 2.朝食の量をしっかり食べる
    朝食にごはんやパンなどの主食(炭水化物)と卵や肉などの主菜(たんぱく質)をしっかり食べることが大切です。

 3.アミノ酸のトリプトファンとビタミンB6を摂る
     トリプトファン+ビタミンB6→セロトニンというホルモンを産生→夜にメラトニン(眠りを誘う、疲れをとる)
  というホルモンに変わる

 4.睡眠1-2時間前にぬるめの入浴をする
     副交感神経を高めて、深い眠りにつくことができます。

 5.睡眠前は照明を暗くして、PC・テレビ・携帯電話の使用を避ける

 6.起きてすぐ太陽の光を浴びたり、シャワーを浴びる
  

 もちろん、規則正しい生活をすることが重要ですが、それが難しいからといって、健康でいることを諦めないでください!
 できることから少しづつ生活に取り入れてみてください。

 

 

参考文献 
『時間栄養学 時計遺伝子と食事のリズム』  監修:日本栄養・食糧学会  編著:香川靖雄
発行所:女子栄養大学出版部

 

 

 

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。