食欲低下、紫外線のダメージ回復に「夏の甘酒」
2015/08/25 掲載
突然ですが、「甘酒」は夏の季語だって知っていましたか?
「甘酒」のイメージというと、からだが温まる、やさしい甘さで栄養豊富というところから冬の飲み物だと思っている方も多いのではないでしょうか。
最近はテレビ等の報道でも夏の甘酒が取りあげられており、夏バテ解消の飲み物としても注目されています。
甘酒には2種類あり、原料が麹のものと、酒粕のものに分けられます。酒粕から作る甘酒はアルコールが多く含まれる(約8%)ので、お子さんやアルコールが苦手な方は注意が必要です。
今回は本来の甘酒とも定義される、麹でつくる甘酒の栄養について調べてみました。
甘酒の作り方と栄養
甘酒は米(お粥)に米麹を加えて約60度に温度を保ち8~10時間発酵させるという、材料も作り方も非常にシンプルなものです。
材料(例)
米麹400g 、米2カップ(ごはん500g)
作り方
①お粥(全粥 米1:水5)を炊いて、温度を60度程度に冷ます
②ほぐした米麹を①に混ぜる
③炊飯器を保温(低温)にセットして、蓋を開けたままざるやふきんで覆って、1~2時間おきにかき混ぜながら、8~10時間発酵させる。
材料が米と麹ですから、その栄養成分は下記の通りです。
★甘酒100g当りの栄養
エネルギー | 81kcal |
たんぱく質 | 1.7g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 18.3g |
ナトリウム | 60mg |
カリウム | 14mg |
カルシウム | 13mg |
マグネシウム | 5mg |
リン | 21mg |
鉄 | 0.1mg |
ビタミンB1 | 0.01mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ナイアシン | 0.2g |
ビタミンB6 | 0.02mg |
葉酸 | 8㎍ |
炭水化物が豊富なだけでなく、米を発酵、分解させているので、ブドウ糖の含有量が20%と多く、すばやくエネルギー源として使われるので、食欲のない時には特におすすめといえそうです。
また、麹菌が増殖するときに、ビタミンや必須アミノ酸を麹の中に蓄積するため、ビタミンB1,B2、B6、ナイアシン、オリゴ糖が含まれています。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるときに不可欠な補酵素、ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えるときに不可欠な補酵素で、どちらも元気の元と言えますし、ビタミンB6やナイアシンは美肌のビタミンとしてよく知られていますから、猛暑による食欲低下や厳しい紫外線からお肌を守る働きも期待できますね。
オリゴ糖は腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあり、麹由来の食物繊維が腸内で良い働きをすることを考えると、おなかスッキリ効果もありそうです。
ただし、100g中81kcakとエネルギーも高めで飲むヨーグルト(加糖)の100gあたり65kcalと比べても断然多いので、健康に良いからと飲みすぎるとエネルギー過剰になりますのでご注意を。
アレンジも楽しめる
いくら栄養があると言っても普通に飲むだけでは飽きてしまいそうですので、アレンジ活用方法を少しご紹介します。
1つはアレンジドリンク。牛乳で割ったり、レモンの果汁を絞ったり、ココアやコーヒーと合わせる飲み方もあります。
甘酒自体に甘味があるため、お砂糖の入っていないものと合わせるのがオススメです。
2つめは調味料として活用すること。お砂糖やはちみつなどの代わりに利用できます。
また作った甘酒が余ってしまった場合は、甘酒に塩、砂糖、鷹のつめを加えて、大根やかぶを漬けるとべったら漬けに。
夏の疲れた体にぴったりな栄養素とアレンジも楽しめる甘酒。
自分好みの甘酒作り、皆さんもぜひチャレンジしてみてくださいね!