ニコチン依存度チェック!習慣と依存を断つ禁煙成功法
2016/04/12 掲載
過去コラム(禁煙を諦めない!まず「家族の疾病リスク」と向きあおう)では、たばこの害と禁煙のメリットについてお伝えしてきました。今回は、禁煙の方法と成功の秘訣をご紹介します。
あなたはどんな時に、よくたばこを吸いますか?
イライラした時? 食後? 飲酒の時? 無意識に2本目に火をつけてるかも?
ぜひ一度、ご自身の喫煙行動を振り返ってみましょう。
「心理的な依存(習慣)」と、ニコチン切れの禁断症状からくる「身体的な依存(ニコチン依存)」により、身体に悪いとわかっていてもやめられないのがたばこです。
2006年から、「ニコチン依存症」の治療には保険が適用されるようになり、たばこが単なる嗜好品から依存性の強い薬物として、また「ニコチン依存症」は治療の必要な病気として認識されるようになりました。特にニコチン依存の高い場合は禁煙外来の受診をお勧めします。
ニコチン依存症のスクリーニング 『TDS(Tobacco Dependence Screener)』
*保険診療の適用条件の1つに使用されます。
TDS(Tobacco Dependence Screener) |
はい (1点) |
いいえ (0点) |
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Q1 |
自分が吸うつもりよりも、ずっと多くたばこを吸ってしまう。 | ||
Q2 |
禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか? |
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Q3 |
禁煙したり本数を減らそうとしたときに、たばこが欲しくてたまらなくなることがありましたか? |
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Q4 |
禁煙したり本数を減らした時に、次のどれかあてはまるものがありましたか? ・イライラ ・眠気 ・神経質 ・胃のむかつき ・落ち着かない ・脈が遅い ・集中しにくい ・手のふるえ ・ゆううつ ・食欲増加or体重増加 ・頭痛 |
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Q5 |
Q4の症状を消すために、またたばこを吸い始めることがありましたか? | ||
Q6 |
重い病気にかかった時に、たばこは良くないとわかっているのに吸うことがありましたか? |
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Q7 |
たばこのために自分に健康問題が起きているとわかっていても吸うことがありましたか? |
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Q8 |
たばこのために自分に※精神問題が起きているとわかっていても吸うことがありましたか? (※喫煙による神経質、不安や抑うつの症状) |
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Q9 |
自分はたばこに依存していると感じることがありましたか? |
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Q10 |
たばこが吸えないような仕草やつきあいを避けることが何度かありましたか? |
*保険適用の条件はTDSスコア5点以上。ただし、ニコチン依存症の最終的な診断は医師が行う
禁煙チャレンジスタート!
~禁煙スタートのタイミング~
しっかりとした動機やたばこをやめたい!という強い意志をもつことが、禁煙の成功率を高めます。
また、最初の3日間が辛いため、あまり家で吸わない場合は、夏季や年末年始の連休からスタートするのがオススメです。
~スタート前の準備~
1.吸いたくなった時、気持ちをそらせる方法を、幾つか決めておきましょう
①生活パターンを変える
・食後すぐに離席する ・コーヒーや宴会の出席を控える ・夜更かしをしない ・過食しない …
②環境を変える
・たばこやライターの処分 ・喫煙者や喫煙場所に近づかない ・パチンコ店に行かない …
③喫煙の代わりの行動をする
・水や氷、温かいお茶 ・軽い運動 ・糖分控えめのガムや飴,フリスク ・たばこ以外のストレス解消法 …
*禁煙中、吸いたい気持ちにジリジリして耐えるより、席を立って身体を動かしましょう。脳内ホルモン(ドーパミン)の働きによって、
禁煙に対するネガティブ感情が緩和します。
その他、禁煙日誌をつけると、吸いたくなる時間帯や、喫煙と結びついている行動に気づくことができます。
2.禁煙に成功した時のイメージを膨らませましょう
味覚の正常化で食事が美味しい、肌の調子の回復、胃腸が活発になる、咳や痰の軽減、肺が綺麗になる感じ、家族が喜ぶ、吸えない環境でイライラしなくてすむ ・・・
禁煙補助剤の利用
ニコチン依存の高い場合、禁煙補助剤を利用すると禁断症状が軽く、孤独に頑張るよりも楽に、体重増加も最小限で禁煙できます! また、1日何本までと決める節煙(減煙)は、苦しさ辛さの先延ばし。
スタート時には、『禁煙=たばこゼロ』という強い気持ちを確立しておきましょう。
①ニコチンガム 【特徴】:処方箋不要。薬局で購入可能。口腔粘膜からニコチンをゆっくり吸収させるように(30分~1時間)噛む。
吸収が早いため、禁煙中、我慢できなくなった時にも有効。
②ニコチンパッチ 【特徴】:ニコチン含有量の違う3種類。大は処方箋、中と小のみ薬局で購入可。
1日1枚、24時間で貼り替える。皮膚からゆっくり吸収される。
③禁煙外来 【特徴】:12週間5回の診療で、治療の他、専門家によるカウンセリングなど、精神的なサポートが得られ、プログラムを中断せず終了した場合は成功率が高い。
保険適用の場合、3ヵ月で2万円程度。
◆保険適用の条件
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◆標準的なプログラム
最後に…
禁煙が難しいのは意志の弱さではなく、習慣とニコチン依存が原因です。
禁煙中、つい1本吸ってしまっても、あきらめないで再チャレンジして下さい!!
あなたの周りには、あなたの禁煙を心から支え 励ましてくれる人が、きっといるはずです。
《参考文献》
禁煙学[改訂2版] 日本禁煙学会編
禁煙指導の本 高橋 裕子著
厚労省ホームページ たばこと健康に関する情報ページ
日本循環器学会 禁煙推進委員会ホームページ http://www.j-circ.or.jp/kinen/
日本循環器学会 禁煙ガイドブック[第3版]