「心が折れる」前に!効果的&手軽な2つのストレス対策
2016/04/26 掲載
心がうるおっているときは、まわりの人にも親切にできるものです。職場環境改善の取り組みのひとつとして、平成27年12月より「ストレスチェック制度」がスタート。
会社にとっても働く方にとってもストレス予防への関心が非常に高まっています。元気な心でいる秘訣を共にふり返ってみましょう!
感情の源である「心」を元気に保つことが大切
アメリカの社会学者アーリー・ホックシールド(1983)は、感情が労働の大きな要素となっているものを『感情労働』と名付けました。自分の感情を加工することによって、相手(顧客)の感情に働きかけることが重要な仕事となっており
「感情に商品価値があること」がポイントです。
感情労働として、接客業や対人サービス業は容易にイメージできます。
さらに、家庭人を含め、あらゆる生活の場面、仕事においても、その先には相手がいることを考えると、
感情の源である「心」を元気に保つことが心地よい毎日を送る上でとても大切といえますね。
ストレスによる3つのサイン
ストレスを感じた時に、私たちの心と身体、そして行動にどんな変化がもたらされるのかをみていきましょう。
ストレスは本当に悪のかたまり?
では、私たちの「心の健康」をおびやかす『ストレス』これは悪のかたまりなのでしょうか?
たとえば、英会話を習い始めたという方がいます。
仕事の合間に習う程度だと上達が難しく、できない苦しみを実感することも少なくありません。
そこで「英語能力がないからやめた」と思う人もいれば、「以前より単語力も増え、実践する機会も増えて良かった」と思う人もいます。
多くの人はメンタルが不調になると、近視眼的になり、物事を主観的に、ワンサイドで考えてしまいがちです。
ストレスを多角的に見る習慣をつけることで成長の糧にしていくことも可能になります。
実践!ストレス対策アクション1、時間を区切る
ストレスを減らす対策の一つとして、時間を区切るというのは今すぐできる対策です。
時間の区切りとしては、「短期的な時間」と「長期的な時間」の区切りがあります。
短期的な時間の区切りとしては、一日中オフィスの机にいるのではなく、ランチを外で食べる、カフェに立ち寄る、飲み物を買いに行く。
忙しい場合には、お茶を入れる、身だしなみを整える、窓を開けて空気を吸う、体操をするといった工夫が可能です。
短時間でも区切りを設けることで仕事の解放感を感じる効果があり、新鮮な気持ちで仕事に向かえば効率アップにつながります。
長期的な時間の区切りとしては、週末にイベントや旅行、親しい人との交流を企画することです。
最近のアメリカでの研究では、人間は旅行の計画があると、約2か月間は幸せな気持ちが持続するという報告があります。
2か月ごとに旅行や何らかのイベントを入れることは、ストレス対策にとても有効です。
実践!ストレス対策アクション2、ポジティブな感情にフォーカスする
不平や不満を口にしているときは、物事のマイナス面にフォーカスしてしまいがちです。
不平や不満を見つけることに、常に意識が向いてしまっているのです。
やりたいことをやっている瞬間は、「楽しい」「嬉しい」といったポジティブな感情に浸れることでしょう。
ストレスを減らす以上に、ポジティブな感情を増やすことが大切といえます。
自分はどんなときに幸福感、充実感を得るのかをチェックして、ポジティブな自分でいる時間を増やしていくと、
心のうるおいが枯渇するのを防ぐことができます。
日頃から身近に相談できる人をつくっておくことが大切ですが、
ストレスが強いときには無料の公的な相談機関や電話相談などもぜひご活用ください。
【参考文献】
◆厚労省ホームページ ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/
◆厚労省ホームページ こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト 心の健康確保と自殺や過労死などの予防 http://kokoro.mhlw.go.jp/
◆産業医・労働安全衛生担当者のためのストレスチェック制度対策まるわかり
武神健之 新井孝典 宮崎貴之 中山寛之 白井ひろ子
◆現役外資系産業医が教える! 不安やストレスに悩まない人が身につけている7つの習慣 武神健之