サプリメントアドバイザー直伝!季節ごとの「飲み分け」方法

2016/07/26 掲載

 内閣府消費者委員会の調査によると、日本人の4割が健康食品・サプリメントを利用しているそうです。※1

コンビニ・スーパー・ドラッグストアなど生活動線の中で気軽にサプリメントが購入できるので、 ごく身近な存在になっているのではないでしょうか?

 

サプリメントを利用するきっかけを調査したレポートによると

1位は「健康の維持が必要と考えたため」

2位は「テレビ・新聞等で広告を見てよさそうだと思ったため」※2

 

このレポート結果にはちょっと残念…と感じてしまいました。

現状ではとにかく広告の力で目立つサプリメントが売れているようです。せっかくサプリメントを利用するのであれば、

「利用者がその時期のからだに役立つもの」を選びたいですよね。

今回は、季節に合わせた賢い「サプリメント」の選び方をご紹介します。
ぜひ、自分に役立つサプリメントを選びましょう!

 

春サプリ

・ストレス対策

 

春は環境変化によってストレスのかかりやすい時期。 腎臓の上にある「副腎」という臓器からは抗ストレスホルモンが分泌されますが ストレスが続くと、副腎に疲労が貯まります。 しっかり休息を取って、ストレスそのものを軽減することはもちろんですが 栄養素としては抗ストレスホルモンの合成に役立つ、ビタミンB群・ビタミンCを意識すると良いでしょう。

 

また、抗ストレスホルモンには体内のたんぱく質分解が強まったり、免疫力が低下したりする働きがあるため 、ビタミンC・βカロテン・ビタミンEなどの補給もおすすめです。

意識したい栄養素…ビタミンB群・ビタミンC・βカロテン・ビタミンE

 

 ・青魚不足対策

青魚

中性脂肪・悪玉コレステロールの増加を防ぎ、動脈硬化や高血圧症などの症状を予防する働きがある、EPA・DHA。

 

これらは青魚に多く含まれますが、3・4月は旬の魚が他の月と比較すると少ない月です。※3
春はさわらや鯛が旬ですのでおすすめですが、手に入れやすさや価格面も考えると、通年で手に入りやすいその他の青魚や、補助的にサプリメントを活用するのも良いでしょう。

意識したい栄養素…EPA・DHA

 

 

・栄養素摂取量の季節差

一般にはあまり知られていませんが、栄養素の摂取量には季節差があります。日本人を対象とした調査の中で、明確な季節差があることがわかっているのは「ビタミンC」。
一番摂取量が多いのが秋で、一番摂取量が少ないのが春となっていて、春は冬よりも約20%摂取量が少ないと言われています。※4

抗酸化作用、コラーゲン生成の促進、ストレスに対する抵抗力の向上…様々な重要な役割を果たす栄養素ビタミンC。

アルコールや喫煙の習慣がある人は、通常よりも多くビタミンCが消費されるので不足しないように特に気をつけたいですね。

意識したい栄養素…ビタミンC

 

 

夏サプリ

・夏バテ対策

高温多湿の日本の夏は、ちょっと動くだけで疲れを感じてしまいます。疲れる・だるい・やる気がでない・イライラする…病気ではないものの、実は厄介な夏バテ。対策としては、エネルギー不足にならないことが大切です。
主に糖質をエネルギーに変えるビタミンB1と、主に脂質をエネルギーに変えるビタミンB2の補給を心がけましょう。これらは、豚肉や卵などに含まれるのでさっぱりしたのどごしの良いものだけを食べてしまうと不足しがちです。
酢を効かせたさっぱりとした味付けや、しょうがや、みょうが、青じそなどの香草を効かせた味わいにするなど、味付けを工夫して不足しないようにしましょう。

意識したい栄養素…ビタミンB1・ビタミンB2

 

・貧血対策

貧血

夏は汗をかきやすいですが、汗と一緒に体外に出てしまう成分には鉄分も含まれています。そのため夏は貧血リスクの高い時期ですが、貧血の症状は、ふらふらする、疲れやすい、などですので、夏バテと勘違いをして自覚症状のない人もいます。
世界保健機関(WHO)の調査によると、貧血は「世界で最も一般的な栄養不足」。20億人、世界人口の30%以上が貧血だそうです。この数字を見ると月経で鉄分を失いやすい女性だけでなく、男性にも気をつけてほしいですね。

意識したい栄養素…鉄分

 

 

秋サプリ

・夏のダメージを受けた肌対策

肌ダメージ

夏の紫外線でダメージを受けた肌が、秋に湿度が下がって乾燥する…肌にとって秋は要注意の季節です。美容液・化粧水・乳液などの外側からのケアに加えて、内側からのケアも意識したいですね。
肌のターンオーバーに役立つのはビタミンB2。肌の新陳代謝を促して、夏の肌ダメージを緩和しましょう。ビタミンB2はアルコールによって消耗されやすい栄養素ですので、飲酒習慣のある人はより気をつけましょう。
また秋から冬にかけて気になる、肌の乾燥と関わりの深い栄養素は、ビタミンAです。皮膚や粘膜を正常な状態に保つ役割があります。ただし、他の栄養素よりは不足しにくい傾向があり、妊婦が過剰に摂取すると奇形児のリスクが高まります。

意識したい栄養素…ビタミンB2

 

 

冬サプリ

肌ダメージ

・生野菜不足対策
冬になると温かい料理を食べたくなり、生野菜を食べる頻度が減ってしまう方はいませんか? 野菜の中に豊富に含まれているビタミンC・ビタミンB群・カリウムなどは、野菜の種類によっては加熱により栄養素が減少してしまいます。


献立の中で、温かいおかずや辛い味付けのおかずと組み合わせて、サラダなどの生野菜を食べるようにしましょう。

意識したい栄養素…ビタミンC・ビタミンB群・カリウム

 

 

・免疫力を高める
ストレス冬になってインフルエンザやノロウイルスが流行りだすと気になるのが自分の「免疫力」。免疫力を高める栄養素はいくつかありますが、ビフィズス菌や乳酸菌もその1つです。※5


ただし、摂る方法が食事からでもサプリメントからでも、腸内環境の改善は一朝一夕には出来ることではありません。コツコツ継続することが必要ですので、対策はお早めに。効果を測るには、2週間以上かかると言われています。※6

意識したい栄養素…乳酸菌

最後に

個人的な経験ですが、「楽をして痩せたい」「努力はしたくない」という理由で、運動と食事を改善することなくサプリメントだけでダイエットをしようとしている人をこれまで多く見かけました。サプリメントを利用する上で、気をつけたいのは薬と似た形状をしていますが、あくまでサプリメントは「食品」だということ。
サプリメントをきっかけに自分の栄養状態を見なおしたり、運動習慣やダイエットのモチベーションをキープするアクセントとして利用したり、そんな健康管理の「名脇役」として捉えていただけるとサプリメントは良いパートナーになってくれると思います。

 

参考文献

※1 食品安全委員会「健康食品」の利用状況 https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20150727so1
※2 消費者委員会 消費者の「健康食品」の利用に関する実態調査(アンケート調査)
※3 水産庁 2013年水産物の消費・需給をめぐる動き 図Ⅱ-4-22 主な魚種の「旬」の一覧
※4 厚生労働省 日本人の食事摂取基準2015 表8 ビタミンC摂取量の季節差
※5 厚生労働省 eヘルスネット 腸内細菌と健康   
※6 後藤利夫著「あなたの知らない乳酸菌力」 乳酸菌の基礎知識

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。