「世界初」「最高精度」のタニタ商品の秘密は「細部」にあり?!
2016/11/22 掲載
タニタはなぜ「世界初」「最高精度」が実現できるの?
1992年世界初・体内脂肪計の発売、1994年世界初・家庭用脂肪計付ヘルスメーターの発売、2001年世界初・内臓脂肪チェック付 脂肪計の発売、2004年世界初・デジタル尿糖計(据置型)発売…などなど、タニタは常に「世界初」の商品を世に送り出してきました。
そして医療用機器の技術をいち早く家庭用機器にも導入し、「最高精度」の機器をご家庭にも提供してきました。
なぜ、「世界初」「最高精度」の商品をタニタは発売できるのでしょうか?今回はその秘密の1つをご紹介します。
アスリート垂涎の「あの機器」の開発秘話
タニタが生み出した世界初の商品の1つに、全身・部位別計測が可能な家庭向けの8電極体組成計があります。
この商品は様々な方向から、からだの中に微弱な電気を流すことで、今までに出来なかった全身・体幹・右腕・左腕・右脚・左脚、この5つの部位ごとの体脂肪率、筋肉量などの測定が出来るようになりました。
特にスポーツやトレーニングをされている方にはとても便利で画期的な商品です。
この商品は医療機関・ジム・エステで利用されるプロフェッショナル向けの業務用体組成計を応用して家庭向けに開発したものです。
しかし、業務用商品を家庭用で提供するためには、スペースの限られている家庭でも使いやすいようにコンパクト化すること、例えばグリップとコードの部分も機器本体に収納できるような仕組みが必要です。
けれども、その「コードの機能」に当時様々な課題がありました。
コードがうまく収納できない!小さくて大きな課題
8電極方式では、足を乗せる部分(本体側)と手で握る部分(グリップ側)がコードで繋がっていないと測定ができないのです。コードを手動式で巻く形式にしたり、業務用の既存のコードを使ったりと様々な方法を検討しましたが、収納がスマートでない、正確に測定ができないなどの理由で不採用になりました。
試行錯誤を繰り返したある日、1本のコードで構成可能なアイデアを思いつきます。
それは、コードにダミー部分を設けるというアイデアでした。
通常なら、コードを出すとコードを巻きつけている「回転部」が回ります。よって、コードの端を基板等にそのまま繋げてしまうとよじれてしまい、断線してしまいます(図1)。その為、このよじれを吸収するために、ダミー部分を設けました。
まず、メインコード(製品外側に出るコード)が収納されている時、裏側に配置されたダミーコードは中心付近に巻かれています。
メインコードが出された時、回転部が回る事に伴い、ダミーコードが緩みます。そしてメインコードが戻された時、逆にダミーコードが巻かれます。メインコードの『出す』⇔『戻す』に伴い、ダミーコードが『緩む』⇔『巻く』事で断線を防いでいます。(図2)
このコードの巻取り装置を開発した事で、非常にスマートな8電極体組成計に仕上げる事に成功しました。
ちなみにこの構成を開発時、コードの耐久性の試験は、開発研究担当者が手作業で1人2~3万回行った為、腕が疲れた、腰が痛い等、色々文句を言われながら試験をしたことを懐かしく思います。
どんなに「小さな課題」も見逃さない!スマートに解決する「新技術」
タニタの商品開発のなかで、「世界初」「最高精度」という部分を切り取って見ると、とても華やかですが、その裏側には大きな課題・小さな課題が膨大にあり、その1つ1つを新しい発想・技術を持って解決していく必要があります。
今回の「コードの収納」の話のように一見、地味な部品にさえも最先端の技術が使われています。
その1つ1つの最新技術の開発に誇ち、考え尽くす・果敢にチャレンジするという姿勢の開発者たちがタニタの「世界初」「最高精度」を実現しているのです。
これからも「健康をはかる」タニタの最新商品にご期待ください。