ここまでやる!タニタ社員の健康づくり

2017/05/09 掲載

ウオーキング(イメージ)

お客様の健康をつくることをモットーに、体組成計や活動量計、クッキングスケールなどの機器や健康サービスを提供しているタニタ。 そこで働いている社員のイメージというと、「健康意識が高そう」「からだのことについて詳しそう」「ヘルシーな食事をしていそう」など、健康の優等生のようなイメージがあるかもしれません。

企業の健康経営が注目されている中、タニタなら社員が自発的に健康づくりをしているはず。 いえいえ、健康企業ならではの悩みもあります・・・

では実際に、健康総合企業のタニタでは、社員の健康づくりにどのようなことを行っているのか。いくつかその取り組みをご紹介します。


8年前からスタート!タニタ社員の健康プロジェクト

タニタでは、製品の開発のために、社員が体重や歩数などを試験的にはかることが多く、社員の間では「はかる」ことが普通になっています。 他の会社の方にビックリされるのですが、人前で体重計にのることに違和感を感じない社員が多いのが特徴です。

2008年に谷田千里が社長就任してからは、自社で開発した体組成計や活動量計を、社員自身の健康維持・増進のツールとして取り入れました。

2009年には、赤外線通信機能付きの歩数計を配布し、からだカルテで歩数を確認できるようになりました。加えて、社内に通信機能付き体組成計も導入し、体重、体脂肪、筋肉をチェックしながら、からだカルテで変化を確認できるようになりました。 これにより、「はかる」に加えて、数値やグラフの変化を見て、自分の食事や運動のバランスが「わかる」ように進化しました。

当時、通信機能付きの体組成計は家庭用の機器しかなく、 社員4人くらいで1台の体組成計を使っていました。 同じ機器を使っている社員同士、家族のような感じで「はかった?」と声をかけたりしていた思い出があります。

機器の変革

さらに、歩数をはかるだけだと面白くないので、からだカルテ上の歩数イベント(バーチャル)を開始しました。もともと健康意識が高い社員ばかりですので、「毎日1万歩」、「2駅分歩く」など、自主的に歩数アップに励んでいる社員も多いのですが、個人で続けるのは意外と大変です。

そこで、世界各国のバーチャルウォーキングや、アニメの世界を通して、歩数を競い合うようなイベントを、定期的に行うようにしました。「今何位くらい?」「○○さんに追いつくにはあと3000歩だ!」など、歩数イベントを話題にすることで、歩くことへの意識が高まってきたように感じました。
歩数イベントでは、毎回上位になるスゴイ社員もいて、後に殿堂入りを果たした社員も何名かいます。

その数年後、さらに技術は進化し、スポーツクラブなどにあるような業務用の体組成計にも通信機能が付き、社内に設置することになりました。社員に配布する歩数計も、FeliCa(フェリカ)内蔵の活動量計にランクアップ。先進的な技術とより高精度な体組成計を活用して、さらに社員の健康づくりが行いやすくなり、社員の計測回数もアップしていきました。

その後、一定期間計測を行わなかった社員に対して、メールで計測を促す「アラートメール機能」もスタートし、「はかる」習慣のさらなる定着を目指しました。

このような社内健康プログラムの取り組みが評価され、2013年には「第2回健康寿命をのばそう!アワード」で厚生労働大臣最優秀賞を受賞しました。


マンネリ化?あまりはからない社員が増加!

社員の計測習慣や歩く意識もすっかり定着したかと思われましたが、2016年度の春、社員の計測状況や歩数を確認してみると、毎週必ず体組成を計測している社員はわずかで、逆に計測が月2回未満の社員が、約半数もいることがわかりました。
歩数1日平均8000歩以上歩いている社員が3割いるものの、厚生労働省がすすめる健康日本21の歩数目標を達成している社員は男性で15%、女性で19%でした。

そもそも健康をはかる商品を作っている会社で、社員の「はかる」が十分定着しなかったこと、体組成計測ルールを社員に徹底できていなかったことを反省し、これらの問題を解決すべく、再度プロジェクトメンバーで検討しました。

そこで2016年は、健康課題を解決するためのプログラムのほかに、健康づくりのために「はかる」習慣をきちんと定着させるためのプログラムに改めて力をいれるようにしました。

2009年と早い時期から、社員の健康管理のための機器配布や計測環境を提供してきましたが、長年使い続けていて、社員もマンネリを感じるところがあったのかもしれません。これまでは個人だけで取り組んでもらっていましたが、それだけでは難しいこと、モチベーションを維持・向上させるためのインセンティブが無いこと、楽しく、簡単に続けられる取組みが不足していたことなどが、プロジェクトメンバー内で課題としてあげられました。


解決のためのプログラムとして、行ったものを一部ご紹介します。

(1)チームですすめる健康づくり

従来の個人同士の競争だけでなく、チーム別にも競い合えるよう部署対抗でのイベントも開催、さらに「健康づくり推進員」も設置しました。


チーム編成について

・原則各部署5名~10名を目安にチームを結成。 ⇒ 声かけしやすい環境づくり


推進員について

・各チームより”健康づくり推進員”を選出

・からだカルテからメンバーの計測および活動量計利用状況などを確認

・メンバーのモチベーションが上がるよう、声掛けや応援をする


このように社員全員が、自分のチームメンバーの歩数や計測の状況などを見ることができます。

推進員の方が声をかけるために活用するほか、社員同士で「○○さんは1万歩以上歩いている、 自分も頑張ろう」と歩数アップのきっかけづくりにも貢献していたようです。

みんなの参加状況

(2)頑張った分のご褒美も

ポイントプログラム

ポイントプログラムを導入し、楽しく健康づくりに取り組めるようにしました。 はかったり、たくさん歩いたりして、健康づくりをすればするほどお得に!貯めたポイントはプロジェクト終了後にカタログギフトやギフト券などと交換、その中から好きな商品を選べるようにしました。

その結果はいかに…!?

期間中全体の平均で見ると、体組成を計測する社員の割合は前年に比べて大幅に増えました。

「月に2回以上計測しましょう」を目標にしましたが、毎週計測する社員の割合は40%以上も増えました。目標歩数を達成している社員の割合は、男女別にみると10月からほぼ毎月2016年の目標を達成しています。社員全体で見ても、お正月の1月に割合が低下しましたが、ほぼ目標を達成できました。

推進員とチームでの健康づくりやポイントプログラムを取り入れたおかげで、社員のみなさんが「はかること」「歩くこと」をより積極的に取り組むようになったことがうかがえます。

体組成を計測する人の前年との比較
目標歩数を達成している人の割合

健康づくりを続けることは大切ですが、ずっと同じ内容ややり方だと飽きが来てしまうものです。タニタ社員も個々に健康づくりに励んでいる人は多いですが、お互いに声をかけ合いながら、楽しく、みんなで健康度アップできるのが理想です。 タニタ社員健康プロジェクト、今年もさらにパワーアップしていけるようにしていきたいと思います。

また、社員がより元気になることは、会社のさらなる発展につながります。健康総合企業として、プロジェクトで得られた知見を日本中の皆様の健康づくりに役立つサービスや製品の開発に生かしていきたいと考えています。


 

参考URL:タニタの健康経営への取り組み http://www.tanita.co.jp/company/health_management.html


※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。