ストレスとお腹の密接な関係~過敏性腸症候群のお話~

2014/03/25 掲載

皆さんは、環境が大きく変化する季節に度々お腹が痛くなったりしたことはないでしょうか。
この症状を繰り返すようであれば、過敏性腸症候群という病気かもしれません。
今回は過敏性腸症候群についてご紹介します。

 

過敏性腸症候群って何?

過敏性腸症候群とは、通常の検査では大腸の炎症や潰瘍などの異常が認められず、慢性的に腹部の膨張感や腹痛を訴えたり、便秘(排便回数が1週間に3回未満の状態)あるいは下痢などの便通異常を繰り返す病気です。

過敏性腸症候群は日本人で多くみられる病気で、ストレスを受けやすい20~40歳代で多く発症します。

 

過敏性腸症候群の3つの症状

・下痢型  軟便や水様便、粘液便が頻繁に出る

・便秘型  コロコロとした便で出にくく、排便後も残便がある

・混合型  便秘や下痢を繰り返す

 

過敏性腸症候群の原因は?

過敏性腸症候群の原因は1つではありませんが、ストレスなどの心理的要因やライフスタイルの歪み等が原因として考えられます。

 

胃腸と脳は自律神経で密接につながれており、脳の働きによって胃腸の機能は自動的にコントロールされています。

その脳が不安や精神的圧迫等のストレスを受けると、自律神経を介してストレスが胃や腸に伝達され、胃腸の運動異常を引き起こし、腹痛や便通異常が発生してしまいます。

 

ストレスが我々の胃腸に及ぼす影響をコントロールすることは困難です。

従って、ストレスの原因となるものを取り除くことが症状を和らげるのに有効となります。

 

日常生活での注意点

・規則正しい食事時間と毎日決まった時間の排便を心掛ける
・一度に大量に食べたりせず、毎食バランスよく食べる
・睡眠や休養を十分にとる
・リラックスして、適度に運動する
・衣服を調節して、おなかを冷やさないようにする
・また入浴などで身体を温めるようにする
・家庭や仕事上の対人・環境ストレスを避ける
・下痢型の人は、冷たいもの・炭酸飲料・アルコール・香辛料を控える
・便秘型の人は、繊維質を多く含む食物(トウモロコシ、ゴボウ、サツマイモ、コンニャクなど)を積極的にとる

 

 

また、薬を用いて症状を緩和することも可能です。

詳しい治療は、患者さんの個々の症状に応じた投薬が必要ですので、まずは医師に相談しましょう。

 

ストレスの多い社会で過敏性腸症候群を訴える方が多くなってきております。

いつ皆様が過敏性腸症候群になるかわかりません。

過敏性腸症候群の症状が見られた場合は、仕事や日常のストレスがあるか、十分な休養・休息、規則正しい食生活ができているか振り返ってみましょう。

 

参考文献

日本消化器病学会 HP

・好きなる生理学 田中越郎

・栄養の基本がわかる図解事典 中村丁次

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。