健康診断の結果で何がわかるの? 性別・年代別のポイント
2014/04/30 掲載
みなさんは健康診断というと何を思い浮かべますか?「お腹周りを測られる」「前の週から禁酒に取り組む」「オールAを目指してる」「しばらくは甘いものガマン」など、思い浮かべる事も人それぞれでしょう。健康診断対策や健康診断の結果の見方については、これまでものコラムで何度か触れてきました。
今回はダイエットやメタボだけじゃない、健診結果で注目してほしいポイントを性別・年代別にご紹介しましょう。
▼過去の健康診断に関するコラムはこちら
40~74歳の「メタボ世代」が気をつける項目
40歳から74歳を対象とした、特定健診がスタートしてから2014年で7年目を迎えます。内臓脂肪の蓄積に注目した特定健診の項目(BMI・腹囲・空腹時血糖・HbA1C・血圧・HDLコレステロール・中性脂肪)はぜひ押さえて欲しいのですが、これ以外の項目で注目して欲しい項目をご紹介します。
人間ドックやがん検診などをプラスして、実施していただくのも良い方法です。できたら毎年がお勧めですが、車検のように、節目のチェックの機会にはぜひ全身のチェックをおすすめします。
また、50代以上の男性には、前立腺がんの腫瘍マーカーの検査などをプラスしていただくのもおすすめです。
・喫煙者(1日の喫煙本数×喫煙年数が400を超える人)
・慢性的にせきや血痰、胸の痛みを感じる人
・粉じんを吸い込みやすい環境で働いている人
→肺がんの早期発見につながる項目に注目しましょう。
胸部X線撮影
肺・心臓・大動脈などをX線撮影で調べる検査です。肺は普通黒く映るので、白く映る部分があると異常がある可能性があります。また、心臓の形や大きさから異常があるかどうかを推測します。
喀痰(かくたん)細胞診
痰には、肺や気管支、咽喉頭(のどのあたり)の細胞が含まれているため、これらの器官の様々な情報を得ることができます。喀痰細胞診は、顕微鏡で痰を調べがん細胞がないかどうかを調べる検査です。この検査は追加で調べることができます。
・お酒大好きな人
・炭水化物大好きな人
・夕食の時間が遅い人
→血液検査データの肝臓疾患にかかわる項目に注目。また腹部エコーなどを追加検査すると脂肪肝や肝臓疾患の早期発見に有効です。
AST・ALT
ASTは肝細胞・心臓・腎臓などの臓器に多く存在している酵素、ALTは主に肝細胞に存在している酵素です。血液中にこららの酵素が多く見られる場合は、なんらかの異常により肝細胞が破壊されている可能性があります。
γGT
肝臓や腎臓などでつくられる酵素です。お酒の飲み過ぎなどの原因により、多く作られて血液中に漏れる為、数値が上がります。また、肝臓内で胆汁の流れが悪くなったり、胆石がつまったりするなどの異常が発生した場合にも数値が上がります。
・運動不足の人
・恰幅が良い、以前からメタボを指摘されている人
・緊張しやすい性格、完璧主義な人
→血圧と心電図に注目しましょう。再検査や精密検査の指示をスルーするのは厳禁です。
20代女性が気をつける項目
20代までの若い世代に増えているやせ。ダイエットを気にするあまり、バランスの良い食事をせず、カロリーコントロールしているという人に注目していただきたい検査項目は、何といっても貧血、そして骨密度もチェックしておくことがお勧めです。
赤血球数(RCC)
酸素を肺から全身の細胞に届け、二酸化炭素を全身の細胞から肺まで届ける、血液細胞。鉄分不足や、栄養不足、痔、胃潰瘍などの原因により赤血球が現象すると、貧血を起こします。
ヘモグロビン(Hb)
ヘモグロビンは赤い色素を持つタンパク質で赤血球に存在します。酸素を全身に運ぶ働きがあり、減少すると貧血を起こします。
ヘマトクリット(Ht)
血液中に含まれる、赤血球の割合を指します。
30代以降の女性が気をつける項目
メタボのリスクが低いとはいえ、30代以降の女性のからだは少しずつ変化していきます。
すべての女性に注目していただきたいのは、女性特有のがんの健診です。子宮の細胞診は早いうちから受けていきたい項目です。また、乳腺エコー、マンモグラフィもお勧めしたい項目です乳がんは早期発見すればこわくない病気。怖がらずに毎年チェックしたいですね。
乳腺エコー
超音波で乳房にしこりがあるかどうか、しこりが悪性か良性かを調べる検査です。小さなしこりも見つけることができます。特に20代から30代の女性はマンモグラフィよりも乳腺エコーがおすすめです。
マンモグラフィー
乳房を圧迫して平らにして撮影する、X線撮影検査です。超音波でみつからなかった乳がんを発見できることがある反面、乳腺が発達している20代、30代の場合、乳腺自体が白く写り、しこりを判別できないこともあります。
更年期以降の女性が気をつける項目
更年期を迎えると、女性のからだのホルモンバランスは大きく変わります。特に影響を受けやすいコレステロール値、血圧は要チェックです。また、骨密度のチェックも定期的にしておくとよいですね。
骨密度
骨の中にカルシウムやマグネシウムなどのミネラルがどのくらい含まれているかを示し、骨の硬さ・強さがわかります。閉経以降の女性や高齢の男性は骨密度が低下しやすく、骨折しやすくなるため注意が必要です。体組成計で測定できる「骨量」とは異なります。