アスリートのからだは何が違う?!

2012/03/29 掲載

自分と同じ身長体重でも・・・中身はこんなに違う!?

スポーツニュースで代表選手決定の試合映像などが放映されると、その無駄の無い筋肉質な身体に思わず目がクギヅケになってしまうことがありませんか?(水泳選手の人なんて、本当にため息出ちゃいそうになりますよね。)もう、生き物として別モノって感じがしてしまいますが、彼ら彼女らだって元は私と同じ人間だったはず・・・(笑)。

何がどれくらい違うのか、数値的にはどれだけ違うのか、オリンピック選手とまではいきませんがかなり頑張って鍛えてらっしゃる実業団クラスのアスリートの方々の体脂肪率や体型データを調べてみました(具体的には、タニタ体組成計のアスリートモード基準と同じ「週に12時間以上トレーニングまたは競技の練習を行っているアスリートの方」という条件設定でデータを集めました)。

図1をご覧ください。
横軸に身長・体重のバランスを表すBMI(体重/身長×身長)をとり、縦軸に体脂肪率をとって一般男女とアスリートの分布の違いを見た比較グラフです。アスリートのプロットは明らかに一般の人達よりかなり下に分布しています。つまり、アスリートの体脂肪率は同じ身長体重の一般人と比べてかなり低いことを表しています。

男女とも、アスリートの人々は同じ身長体重バランスの一般の人と比べて平均的に10%程度低い体脂肪率になっています。例えば男性の場合、BMIが標準的な22だとしても、一般の男性は体脂肪率が20%くらいなのに対してアスリートは10%くらいしかありません。10%・・・って・・・身体の中のわずか1割、ですよね。体重は十分に重いのに、脂肪はちょっとだけしかなくて残りほとんどが筋肉や骨でできている・・・ということになります。鍛えられた水泳選手などは体脂肪率が5%を切る、と言われています。同じ体重でも中身が違う、アスリートは体脂肪率が低い・・・
ということは言われてきましたがどれくらい差があるのか、数値で実感していただけましたか?


 

見た目的にはどこが違うか

同じ体重でも中身が違う=体脂肪率が低い(筋肉が多い)ことはもう常識的にもわかっていたことです。では、見た目的にはどこに大きな差が生まれてくるのか、かなり大雑把ではありますが、上腕・ウエスト・ふくらはぎの3箇所の太さも比べてみました。そもそも体格の違う人同士を比べてもあまり意味がありませんので、「身長体重のバランスが同じ」人達だけのデータで平均値を調べ比較しました。
図2の表を見てください。
 


 
まず、女性はBMI21の一般女性とアスリートを比較したのですが、体脂肪率に10%以上差があるのは上でも触れたのでいいとして、ウエストも約10cmもアスリートの方が細く、上腕(二の腕)やふくらはぎもアスリートの方が全体に細いことがおわかりいただけるかと思います(上腕の差はあまり大きくないので、統計的には有意ではありませんが)。
アスリートだからムキムキに筋肉が太くなるかというとそうではなくて女性の鍛えられた身体というのは全体的に引き締まって細くなる傾向があるようです。たとえ同じ身長体重でもアスリートの女性はウエストもふくらはぎも普通より細くピシっとかっこよく引き締まっているのです。そりゃあそうでしょう・・・と、納得してしまいます。

次に男性の方を見てください。男性はBMI22の人達同士で比較しました。男性も同じ身長体重でも体脂肪率に10%以上差がありますしウエスト
もアスリートの方がずっと細く引き締まっています。ただ、女性と違うのは上腕とふくらはぎの太さです。男性の場合、ウエスト以外はアスリートの方が統計的に有意に太くなっています。男性の場合は女性のように全体に細く引き締まるのではなく、お腹周りはキュっと引き締まりますが腕や脚は筋肉が鍛えられた分、発達して太くなってX字体型になるようです。

データを見るとアスリートと一般の人の「見た目の違い」には男女差がありそうなことがわかりました。でも選手の方々の体型を思い浮かべると、この男女のデータの違いにも思わず納得です。さて・・・今回はアスリートの方々の身体についてのデータを紹介いたしましたが、鍛え抜かれたアスリートの方々はどうしてあんなにかっこいいのか、少しは手がかりにしていただけたでしょうか・・・。

たとえ同じ身長体重でも、ついついだらけてしまう私とは中身的にも見た目的にも大きな大きな違いがあって当たり前なんですが・・・
印象だけでなく、数値的にもこんなに違うんですねぇ・・・。我ながらデータをまとめつつ深く納得してしまいました。
 

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