食品のミニマリストを目指そう!今すぐできる食品ロスの減らし方
2017/09/26 掲載
「断捨離」や「ミニマリスト」という言葉を最近よく耳にします。
持ち物をできるだけ減らし、必要最低限の物だけで暮らすことで、より豊かな生活を実現しようという考え方です。(※1)
主には洋服や生活用品などの物について使われる言葉ですが、食品にも通じるのではないでしょうか?
持ち物をできるだけ減らし、必要最低限の物だけで暮らすことで、より豊かな生活を実現しようという考え方です。(※1)
主には洋服や生活用品などの物について使われる言葉ですが、食品にも通じるのではないでしょうか?
今回は食品のミニマリストになるべく、必要最低限の食品を無駄なく使い、少しでもロスを減らす方法を探っていきます。
今「食品ロス」が問題になっています!
まだ食べられるのに捨てられている食品を「食品ロス」と言います。
日本の食品ロスは年間約632万トン!桁が大きすぎて実感が沸きませんが、これを日本の人口で割ると、1人があたり毎日お茶碗1杯分(約136g)の食品を捨てていることになります。
さらに衝撃的なのは、世界中で飢餓に苦しむ人達に向けた世界の食糧援助量は、平成26年で年間320万トン。この量を大幅に上回る量の食品が捨てられているのです。
632万トンの食品ロスのうち、約半分の302万トンは一般家庭から出されたもので、残りの330万トンはスーパーや飲食店、メーカーなどから出されるものです。しかし、これらの企業などは少しずつ食品ロスを減らす取り組みを始めています。
次は私たち消費者が意識を変える番。家庭内の食品ロスを減らすことは家計にもメリットが大きく一石二鳥です。(※2)
このような背景から、農林水産省では「食品ロス削減国民運動」(NO-FOODLOSS PROJECT)として「もったいない」という言葉の発祥地である日本が、食品ロス削減にフードチェーン全体で取り組み、官民連携で食品ロス削減に向けた国民運動を展開し、世界に発信していくことを掲げています。(※3)現在、農林水産省だけでなく消費者庁や地方自治体なども様々な活動を行っています。家庭でできる「食品ロス」を減らす方法
家庭から出される食品ロス。原因を探ってみると円グラフのような内訳になります。
この結果を踏まえてシーンごとに食品ロスを減らすためのチェック項目を挙げてみました。
買い物ではここをチェック!
- □家の在庫チェックをして二重購入を防ぎましょう。
- □野菜や肉、魚などの生鮮食品での食品ロスが多いので、これらはこまめに買いましょう。
- □すぐに使う予定の食品は陳列棚の手前から取り、期限の短いものから消費して店の廃棄減少に貢献しましょう。
調理時・家ではここをチェック!
- □残っている食材から使うようにしましょう。
-
□野菜や果物の皮はなるべく薄く切り、食べられるものは皮も食べましょう。 →皮と実の間の栄養価が高い場合が多いので、捨てるのはもったいない!!
しかも生ゴミも減らせて一石二鳥!! - □「残り物パーティ」をする日を決めて、定期的に冷蔵庫の在庫整理をしましょう。
- □食品が傷む前に一手間加えて、食べられる期間を延ばしましょう。
- □適切な保存方法を知り、すぐに食べ切れないものは冷凍しましょう。
-
□残った食材は別の料理に活用しましょう。(※2, 5)
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美味しく食べ切る3つの工夫
1)買ったらすぐに一手間を!
例えば、大根の葉と根を切り分けておく、肉は1人分ずつ小分けにしておく・・など、この一手間をかけるだけで食品が長持ちします。
2)食べ切れなかった食品に一手間を!余った野菜に塩をして漬けにしたり、ハムやソーセージと一緒に煮てスープにするということもできます。
3)最後の一手!保存食作り時間をおくと美味しくなるものもあります。例えば、肉や魚を味噌漬けにしておくことで、保存が効き、味もまろやかになります。(※6)
食品ロスを減らすために家庭内でできることをご紹介しましたが、これ以外にも外食時や宴会時の食べ残しを防ぐための工夫や、賞味期限と消費期限の違いを理解するなども国や市町村から提案されています。(※2, 5)
地域一体となっての活動
私の子どもが通う保育園でも、市が始めた「フードドライブ」という運動に参加し、父兄に呼びかけをしていました。フードドライブとは、いただき物や買い過ぎた物など余っている食品を持ち寄り、福祉団体や施設などに寄付するボランティア活動です。期間が決められていて、その期間内に家庭で余っている食品を保育園に持っていくと、その後、保育園がまとめて市役所に持って行ってくれます。
普段共働きで平日に市役所に行くのが難しい保育園の父兄でも、毎朝晩行く保育園に持っていけば良いというのは、とてもハードルが低く、気軽に参加することができました。
「未開封で賞味期限が1ヶ月以上あるもの」「包装や外装が破損していないもの」「生鮮食品以外の物」など持参する食品の条件はありますが、2017年5月に行われた第1回目のフードドライブでは2242点の食品が集まり、市内の9つの施設や団体に配布されたそうです。
このように「もったいない」を「ありがとう」に変えるフードドライブの活動を行っている市区町村は増えてきているようです。
このような動きが地域で広がっていくと、個人の意識も高まり、最終的には国全体の食品ロスが減るという良い流れが出来てくると思います。
このような動きが地域で広がっていくと、個人の意識も高まり、最終的には国全体の食品ロスが減るという良い流れが出来てくると思います。
まずは自分から!ということで、私も食品のミニマリストを目指して、今日から無駄な買い物を減らし、食品を使い切ることを意識して過ごそうと思います。
【参考文献】
- ※1 朝日新聞出版発行「知恵蔵」
-
※2 政府広報オンライン「食品ロス」を減らそう(平成28年10月11日)
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/4.html -
※3 農林水産省「食品ロス削減国民運動」(NO-FOODLOSS PROJECT)
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/161227.html -
※4 農林水産省 平成26年度 食品ロス統計調査報告(世帯調査)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001140357 -
※5 消費者庁パンフレット
http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/loss_pamph_201611_02.pdf - ※6 「食材 食べ切り見切り時手帖」 魚柄仁之助著 池田書店