熟睡を遠ざける寝酒の悪循環

2014/05/13 掲載

新年度など、環境が大きく変わる時期は、なにかと慌ただしくなりがちですよね。土日や連休にストレス発散!
…したつもりが、何だかやる気が出ない、日中眠くて仕方がない。そんな症状がある人は要注意!
ついつい頑張りすぎてしまうあなたは気づかぬうちにストレスを溜め込んでしまっているかもしれません。 


■ストレスとからだの健康
  過剰なストレスは、心、からだ、行動に影響します。例えば、不安や憂うつな気分になったり、頭痛や疲労感、不眠の症状が
現れたり・・・飲酒量や喫煙量が急増した時は、何か過剰なストレスを受けた時ではなかったでしょうか?

 こういったことや症状などが改善されず徐々に悪化すると、メンタルヘルスの不調につながる可能性が高くなります。

 日本人は、ストレス解消法として、「晩酌やお酒を飲むこと」をあげる人が多いのですが、「お酒とからだの健康」の関連を「睡眠」の視点から説きたいと思います。

 

■日本人は寝酒をする頻度が高い
 「休日前は、お酒を遅くまで飲んで、お昼まで寝るのが一番のストレス発散方法だ!」という方、多くいらっしゃるのでは?
これらの研究結果から、飲まなきゃやってられない!なんて声が聞こえてきそうです・・・


【国民生活選好度調査】平成20年度国民生活選好度調査結果
・日頃、ストレスを感じている人=56.9%


【健康づくりの為の睡眠指針2014】
・睡眠の為にお酒を飲む人の割合=日本人は30.3%(10カ国の平均19.4%)
・寝酒を週1回以上する人の割合=男性48.3%、女性18.3%

睡眠調査

作図:タニタ  

■寝酒の悪循環

「嫌な事を忘れるにはお酒の力が必要!」という気持ちは、共感を覚えるものがありますが、
そのストレス発散行動が、からだにとっては疲労回復の妨げになっています。
そもそも睡眠は、脳と心身を回復するという、非常に大切な役割があります。
その為、睡眠の質をあげる事は、からだの健康を作るうえで欠くことのできない重要な要因の
1つなのです。

お酒を飲んで、いつの間にかそのまま寝てしまった・・・なんて経験はありませんか?

このように寝酒をすると、眠りに入る時間を早めますが、中途覚醒が増えて睡眠が浅くなり、熟睡感が得られなくなる事が研究により分かっています。

睡眠による休養感が得られなくなると、日中の注意力や集中力の低下、不調などが現れ、意欲が低下してしまう・・・そして疲労が蓄積していく・・・といった悪循環がうまれてしまいます。

 この悪循環から逃れる為にも、日々、良質な睡眠をとれるよう寝酒は控えたいですね。

 

■就寝前に気をつける事「健康づくりの為の睡眠指針2014~睡眠12箇条~」
 厚生労働省は、健康づくりの為の睡眠に関する指針を策定しています。
寝酒だけでなく、良質な睡眠の為に就寝前に気をつける事を指針の中から紹介します!


<良質な睡眠の為に就寝前に気をつける事>
・飲酒、喫煙は睡眠の質を悪化させる為、控える
・就寝前3~4時間以内のカフェイン摂取は控える
・自分にあったリラックス法(例:入浴や環境づくりなど)で、スムーズに眠りへ移行させる
・就寝する2~3時間前の時間帯は、一日の中で最も寝つきにくい時間帯である為、無理に眠ろうとしない
 (※かえって緊張を高め、眠りへの 移行を妨げる)

  
 これ以外にも、科学的根拠に基づいた快眠のポイントが、分かりやすくまとめられています。
ぜひこの機会に、厚生労働省HPを参考にしてみて下さい!

 
 几帳面で責任感や正義感が強く、他人から信頼される真面目な人は、常に周りに気を使っている為、自分自身の健康を疎かにしがちです。からだを酷使し過ぎず、自分の心・からだ・行動の変化に注目してあげましょう!自分の健康を自分で守る為にも、こういった日々の心がけを大切にしたいですね。

 私も今日は、就寝前にアロマを炊いて気分をリフレッシュさせたいと思います。

 

参考資料
厚生労働省HP 健康づくりのための睡眠指針2014
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

内閣府HP 平成 20年度国民生活選好度調査結果

 

※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。