年々気になる体脂肪。男女の付き方の違いとは?
2014/09/24 掲載
秋を迎えると、食欲が増してきますね。また、様々な食べ物が旬を迎えます。
でも、食べ過ぎにはご用心ですよ!
食べ過ぎは、肥満の原因になってしまいます。
ところで皆さんは、食べ過ぎ&運動不足で身体がたるんできたなぁ。。。
と感じたら、まずどのようにチェックしますか?
実は、アンケート調査を行った事があります。
その結果、ほぼ半分の方が気になる部分をつまんでみるという結果でした。
つまり、気になる身体箇所をつまんでその厚みを感覚的にとらえてチェックしている方が多いんですね。このつまんでいる組織が皮下脂肪です。
脂肪の付き方と加齢変化
「私はどうして下半身が太りやすいの?」「どうして私はお腹に脂肪が付きやすいの?」
と疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
この原因は、性差と加齢の影響が大きいんです。
下記のグラフは、男女別の加齢に伴う部位別の脂肪率の平均値です(男性564人 女性1025人)。
男性の場合、全ての年代において体幹部の脂肪率が最も高くなります。
また、20⇒30代にかけて、体幹の脂肪率の増加が顕著になることが分かります。
「そういえば、就職してから急にお腹が気になりだした」という男性も多いのではないのでしょうか。
女性の場合、全ての年代において、脚の脂肪率が最も高くなります。「脚の脂肪が気になる女性が多い」のも頷けますね。
しかし、20⇒50代にかけて、体幹の脂肪率の増加が顕著になることが分かります。
女性の場合も、男性と同様に加齢に伴い体幹に脂肪がついてくる傾向にあるのです。
皮下脂肪とボディライン
皮下脂肪とは、その名の通り皮膚の下の脂肪です。つまり筋肉の上側に蓄えられる脂肪のことになります。
そのためカラダのラインや体型は、皮下脂肪の付き方に左右されるのです。
筋肉の上側についているので、筋肉を鍛えることで脂肪がひき上げられ、ひきしめ効果も期待できます。
しかし、皮下脂肪は、少ない方がいいとは限りません!
脂肪は、体温を保つ、筋肉・骨・内臓を保護する、エネルギーを貯蔵するなど大切な役割があります。
特に女性は、正常な生理周期の維持に必要で、無理なダイエットで体脂肪率が15%を切ると女性ホルモンの代謝に影響し、月経異常が起こる割合が非常に高くなります。更に、女性ホルモンの分泌量の低下で骨が弱くなり、若くても骨粗鬆症にもなるリスクがでてきます。
適度な脂肪は女性にとって必須なものです。
女性らしい滑らかなボディラインをつくるためには必要な存在ということを覚えておいてくださいね。
男性に付きやすい内臓脂肪
内臓脂肪は内臓の周りにつく脂肪です。もちろん、指でつまむことはできません。
最近、食べ物が美味しすぎてついつい食べ過ぎちゃってる。。。でも、お腹をつまんでも、以前と変化がないから大丈夫だ!
と考えていてはイケませんよ。
この場合は、内臓脂肪が付いている可能性があるのです。内臓脂肪は男性につきやすい傾向があります。
特に20歳の時に比べて体重が10kg以上増えている方は、内臓脂肪が多い傾向がありますので注意が必要です。
肥満の中でも特に内臓脂肪の過剰な蓄積がある“内臓脂肪型肥満”は、生活習慣病の発症リスクが非常に高いのです。
運動の脂肪減少効果
運動と脂肪が大きく関係している実際の例を見てみましょう。
20代女性Aさんは、50日間、健康的にダイエット(運動)を行いました。
・体重、体組成、消費カロリー、歩数を毎日記録する。
・無理をしない程度に活動を増やす。
・間食をしない。食事内容を改善する。
その結果、なんとウエスト6.3cm減少!下図のようにオレンジの部分を皮下脂肪がぐっと減っているのが分かります。
誘惑に勝てず(?)食べてしまったら、食べた分運動しましょう!
身体を動かすことで、エネルギーを消費するだけでなく血中で上昇した血糖が筋肉に取り込まれ、インスリンの作用が無くても血糖値が自然に下がります。つまり『運動する』ことで摂取した糖質のカロリーをエネルギーとして使ってしまうだけでなく、インスリンの急分泌も抑えられるという一挙両得な効果があるのです。
最後に、「最近、食べ過ぎてるしダイエットを始めようかなぁ。」と、お考えのかたも多いのではないでしょうか。
正しいダイエットに不可欠なもの。それはご自身のカラダを客観的にとらえることです。
これから、ダイエットを始めるかたは、是非とも体組成計を使って客観的にカラダの変化をとらえてみてください。
参考文献
目崎 登他「産科と婦人科」(1999年)
安田 珠央他「肥満者の減量目標としての20歳時体重の有効性」(2006.)