筋肉量を保持して若々しい身体を保つ!~サルコペニアを予防しよう~
2014/03/11 掲載
サルコペニアって何?
サルコが「筋肉」、ペニアが「減少」という意味で、サルコペニアとは骨格筋肉量の減少を意味しています。
骨格筋肉量が減少することで、徐々に筋力低下、機能低下がおこるため、寝たきりや要介護に近づくとされています。
筋肉量減少の話は、残念ながらまだまだ先…ではありません。
筋肉の量は、20代をピークに、30代以降は、年1パーセントの割合で減少していくため、特に30代から注意が必要です。
40代以降では、サルコペニア、もしくはその予備軍が4人に1人とも言われています。
無意識でいると、いつの間にかサルコペニア=寝たきり予備軍になってしまいますので、対策として食事法や簡単筋トレを取り入れてサルコペニアを予防し、筋肉からのアンチエイジングをはじめましょう。
サルコペニアをチェックする方法は?
もっと簡単なチェック法
上記のチェック方法ができない場合に、簡単に筋力の低下をチェックする方法もご紹介します。
(1)片足立ちで靴下がはけますか?
(2)いすに座り、片足で立てますか?
(3)片足立ちで60秒キープできますか?
1つでも「いいえ」の回答があった場合は、下半身の筋力が低下している可能性があります。
また、握力の測定や、歩行速度の測定から判定する方法もあります。
●握力:男性で30kg、女性で20kg未満となった場合、筋力の低下が疑われます。
●歩行速度:横断歩道を一信号で渡りきれなくなったら、要注意です。歩行速度0.8m/秒以下)
(
サルコペニアと負のスパイラル
筋肉量の低下は30代から起こります。
下の図で示されるように、筋肉量の低下は、栄養不良、運動機能の低下、寝たきりという悪循環を招きます。
ここでしっかり筋肉量をキープすることが、将来の転倒・骨折・寝たきりなどのリスクを回避するポイントと言えるでしょう。
食事はBCAAとビタミンB群 ビタミンD
サルコペニア予防も食事と運動の両輪が重要です。
特に、食事では、筋肉を作るのに欠かせないBCAAについてご紹介します。
BCAAとは、バリン、ロイシン、イソロイシンという3つの必須アミノ酸をまとめた呼び名で、
体の中に入ると、筋肉を作ったり、修復したりします。
BCAAを豊富に含む食材は、まぐろやかつおなど赤身の魚、レバーなど赤身の肉、卵、大豆製品、牛乳などがあります。
アスリートも基礎代謝アップを目指す方も、日々の食事でBCAAチャージ!
またBCAAを効率良くとるためには、ビタミンB群が必要です。
たんぱく質を身体で使うためのアミノ酸に分解するには、ビタミンB群が必要だからです。
ビタミンB群を豊富に含む食材は、ごま、きなこ、豚ヒレ肉、玄米などがあります。
また、近年はビタミンDによる筋力増加効果が報告されております。
骨を強くするだけでなく、筋力を増強させるためにも、ビタミンDが有効だと言えます。
ビタミンDは魚に多く含まれますので、肉ばかり食べている方は、食生活を見直すことをお勧めします。
肝臓や腎臓の機能が低下している方は肝臓、腎臓でつくられる活性型ビタミンDの合成能力が低下してしまいますので、食事からの摂取が不足しないように心掛けましょう。
またビタミンDは日光浴により活性化されますので、家に閉じこもらずに、一日15分の日光浴を習慣にするようにしましょう。
ただし食事内容だけを気をつけても、サルペコニア対策が十分とは言えません。食事量も大切です。
食事の量が極端に少ないと、活動のためのエネルギーを確保するために筋肉を分解し、エネルギーを作り出す可能性もあります。
食事量は主食と主菜を組み合わせ不足のないように食べることもサルコペニアを予防するうえでは重要なことです。
脚筋肉量を貯筋しよう!
脚の筋肉量は、全身の約4割を占めます。
大腿四腿筋、腓腹筋を鍛えることが筋肉量を減らさないコツ。
座る姿勢や、立つ姿勢、歩く姿勢を意識して、だらっと緩めるのではなく、筋肉を使うように意識してみることから始めましょう。
エスカレーター、エレベーター、車を活用するとどうしても筋肉量が落ちます。意識して、脚を使うようにしましょう。
●おススメ簡単筋トレ
おうちやオフィスにいながらにして細切れにエクササイズを行うことも、筋肉量を落とさないコツ。
1)椅子を利用したスクワット
椅子の立ち上がりなどで膝を伸ばす時に使う大腿(たい)四頭筋を鍛える効果があります。
ポイントは、ゆっくり息を吐きながら、3秒かけて「立つ・座る」動作を行うこと。
この時、膝がつま先より前に出ないように気をつけてください。
1日10回が目安で簡単にできるようなら、回数を増やします。
2)つま先立ち
歯磨きしながら、コピーとりながら、電車の移動中などにもできる簡単エクササイズ。
つま先立ち3秒かけて、ゆっくり上下します。
これは、ふくらはぎの筋肉、下腿(たい)三頭筋を鍛えるのに効果的で、歩く時に力を入れて踏み込めるようになります。
体力に不安のある人などは、いすを使うなどして、無理に行わないようにしてください。
※いずれも腰や膝に痛みのある方は行わないでください。また持病のある方も医師と相談してください。
将来の寝たきりを防ぐためには、元気な今のうちにバランスの良い食生活や運動習慣を整えておくことが大切ですね。
もちろん、これらは若々しいからだをキープするためにも欠かせないことです。
体組成計をお持ちの方は、早速「筋肉量」から「筋肉率」を算出してチェックしてみましょう。
参考文献