子どもの自由研究は、食育のチャンス!
2017/08/08 掲載
小学生の長期休みの定番課題「自由研究」。子どもがテーマに悩んでいるという家庭も多いのでは?そんな時におすすめのテーマが「食」です。
「食育」とは、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てることです。(※1)
たとえば食べ物が体に与える影響って何だろう?日本と世界の食の違いって何だろう?食べ物はどうやってできるのだろう?など、食を通して様々なことを、子どもに学ばせることができます。
今回は食育を兼ねる自由研究の題材例をいくつか挙げてみましょう。
今回は食育を兼ねる自由研究の題材例をいくつか挙げてみましょう。
自家製○○を作ってみる
日常生活で使用している食品の中には、ご家庭で手作りできるものもたくさんあります。マヨネーズや片栗粉など買うのが当たり前になっている食品も手作りできます。 自分の好きな食べ物を作ってみるのも良いですね。キットとして売られているものもあるので、まずはこのような物を利用してみるのもおすすめです。
親子で作る手作り品は格別においしいはずです。市販品との味の違いや日持ちがしないことから、添加物について学ぶこともできます。
親子で作る手作り品は格別においしいはずです。市販品との味の違いや日持ちがしないことから、添加物について学ぶこともできます。
子どもでもできる!おすすめ自家製食品と原料
- ・マヨネーズ…卵黄、油、酢、塩
- ・片栗粉…じゃがいも
- ・豆腐…豆乳、にがり
- ・フルーツ飴…フルーツ、砂糖
- ・バター…生クリーム、塩
- ・ツナ缶(まぐろのオイル漬け)…まぐろ(もしくはカツオ)、オリーブオイル、ハーブ
日々のお買いものと料理
夕飯のレシピを一緒に決めるところからスタート。 一緒に買い物へ行き、いつもはお菓子コーナーに直行!の子どもも、親と一緒に食材コーナーを見て回り、産地や価格を見たり、食材の種類を見る。これも立派な食育です。
食材によってどの産地が有名なのか、またどのようにして作られ、管理、運搬され、今お店に並んでいるのかなど、流通過程を調べるのもよいでしょう。
調理においては、魚や肉、野菜など食材ごとの切り方や、調味料を加える順番、またお湯と油の温度差についてや、レシピ名の○○風~の意味など調べてみる事柄はたくさんあります。着眼点によって得られる情報は数知れずあります。
自分で作った思い入れのある料理は、写真を撮ってコメント入りのレシピ集にまとめるのもおすすめ。料理に使った食材には、それぞれどのような栄養素が含まれているかなどを調べて、レシピ集に書き込み、マイレシピ集を作成してみましょう。
調理にはさまざまな工程があり、コンビニやスーパーで買ってきた調理済み食品のような手軽さはありません。調理器具の扱い方や調理法を学び、実践することで待てる心(忍耐力)を育てることもできるかもしれません。
また、食材を余すことなく効率的に使い、ゴミを少なくする工夫や、モノを大切にする気持ちも生まれます。手作りの楽しさや出来上がった料理を味わう喜びなど、親子で共に分かち合う経験をしましょう。
また、食材を余すことなく効率的に使い、ゴミを少なくする工夫や、モノを大切にする気持ちも生まれます。手作りの楽しさや出来上がった料理を味わう喜びなど、親子で共に分かち合う経験をしましょう。
日本の食について調べてみる
日本の四季に関連する食材や、各地の伝統料理、行事食など、日本独自の食文化を調べたり、日本と世界各国を比較して、食材の違いや、食事の方法などを調べてみましょう。また高学年向けにはなりますが、日本における食材別の自給率などを調べるのもよいでしょう。
和食の基本である一汁三菜についても、どうして健康に良いと言われ、世界遺産に登録されるほど認められているのか、など調べてみるのもよいでしょう。
お・も・て・な・しから学ぶ日本の心~和食~
お・も・て・な・しから学ぶ日本の心~和食~
三色食品群をつかって、食生活をチェック
三色食品群とは、食品そのものに含まれている栄養素やその働きごとに、3つの食品群に分類したものです。大人には聞き慣れない言葉ですが、栄養バランスを「3つの色」としてシンプルに考えることで子供にもわかりやすくなっており、幼児から小学校低学年向けの食育指導に利用されています。
<三色食品群> 栄養素の働きから、3つの食品グループに分けたもの(※2)
赤からだを作るもとになる肉、魚、卵、牛乳・乳製品、豆など
黄エネルギーのもとになる米、パン、めん類、いも類、油、砂糖など
緑体の調子を整えるもとになる野菜、果物、きのこ類など
赤色群は体をつくるもの、黄色群エネルギーのもとになるもの、緑色群は体の調子をととのえるものに、分類されています。
一回の食事に、3つの色を揃えて食べることを意識しましょう。まずは幼い頃から「三色食品群」で食品の部類分けに慣れ親しみ、バランスよく食べることの重要性を学ぶことが大切です。(※2)
一回の食事に、3つの色を揃えて食べることを意識しましょう。まずは幼い頃から「三色食品群」で食品の部類分けに慣れ親しみ、バランスよく食べることの重要性を学ぶことが大切です。(※2)
自由研究の課題として取り組む場合は、いくつかのステップに分けて1週間くらい続けるのがおすすめです。
- 1. 食事日記をつける
- 2. 食事の内容を3つの色に分類する
- 3. 3つの色のバランスをチェックする
- 4. 3つの色のバランスをよくする方法を考える
いかがでしたでしょうか。日常生活には食育の場が溢れています。ぜひ親子で楽しみながら「食」について、一緒に学んでみてください。
【参考文献】
-
※1 農林水産省食育の推進
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/index.html -
※2 農林水産省実践食育ナビ
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/guide.html
※本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって、内容が予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。